バイヤーが厳選した、今気になる人と語らう。バイヤーズコレクショントーク（ゲスト：ダニー＆アン クリエイティブディレクター 永田杏奈さん）
2018Oct04
プロが厳選した｢日常の衣食住に美しさや楽しさをプラス」するアイテムを紹介する、バイヤーズコレクション。今回は、アイテムではなく、三陽商会クリエイティブディレクターの姉川輝天がバイヤーズコレクションで取り扱うブランドの中から、厳選した人との対談をお届けします。その人とは、｢Danny＆Anne(ダニー＆アン)」のクリエイティブディレクターを務める永田杏奈さん。ブランド立ち上げの経緯やモノづくりのインスピレーションソースなどのお話を伺いながら、姉川が永田さんの魅力を紐解きます。
ダニー＆アンが誕生するまでの軌跡
姉川 二人が出会ったのって何年前、そもそもなんでしたっけ？（笑）
永田 共通の知り合いを交えて会ったのが最初ですよね、もう5年くらい前のことです。
姉川 そうだ！まだブランドを立ち上げる前に会ったのが最初だよね。
永田 業界の大先輩だから、正直すごく緊張してたんですよ、私。とっつきづらそうかもって勝手に思い込んでたのもあったので（笑）
姉川 そう？ 緊張してたようには見えなかったけれどな。僕は、女優さんやタレントさんをなさってたことを知っていたから、ファッションブランドを立ち上げるって話を聞いたとき、どこまで本気なのかなって……。
永田 きっとノリでやるんだろうって？（笑）
姉川 いやいや、ごめんなさい（笑）。でも、実際にじっくり話を聞いてみたら、とても熱い想いをもっていて、納得するものを出したいというすごく強い気持ちがわかって。杏奈ちゃん、探究心が強くて表面的ではない熱さがあって、なにより真面目だよね。
永田 ありがとうございます。姉川さんにそう言ってもらえるのは、とても嬉しいです！実際にそういう声が多かったのも事実なので……。予想はしていたことだったんですけど、「元タレントでしょ？」という偏見がないわけじゃなかったんです。でも逆に、そのおかげで、本気だっていうところを見せたい、絶対なめられないように頑張りたいっていう、底力に繋がりました。
姉川 もともとダニー＆アンを立ち上げる前は、ボディケアブランドの立ち上げに関わって。それから、カチューシャとかヘアアクセサリーのブランドを立ち上げたよね？
永田 若いときは何からやってよいかわからず、もともと興味のあった美容系のプレスのお仕事をやらせて頂きました。でも、もともとファッションが好きだったのもあって、やっぱり自分でファッションブランドをプロデュースしたいなって思うようになったんです。
姉川 すぐにはファッションにいかなかったんだ？
永田 洋服のブランドを立ち上げるって、お金かかるじゃないですか。そして当時、海外の人気ドラマ「ゴシップガール」が全盛期で、ヘアアクセが流行していたのもあったんですよね。だから、まずは小物からいこうと！27歳のときですね、貯金をはたいて、周りの方に色々教えてもらいながら、ヘアアクセの会社をつくりました。
姉川 そういうところ、本当に素晴らしいよね。実直で尊敬するよ。色々なことに興味を持ち、そして経験してさ。杏奈ちゃんの人生を本にしたら、上下巻くらいになるんじゃない？
永田 いえいえ（笑）。それから3年後の30歳のときにお洋服をプロデュースするお話をいただき、ダニー＆アンが誕生しました。
今春5周年を迎え、6年目に突入したブランドの進化
姉川 誕生秘話とか、なんかあったら、ぜひ聞きたいな。
永田 秘話はいっぱいあるんですけど言えない事のほうが多くて（笑）。しいて言えば……。ブランドロゴ！これは手描きなんです。「Danny」は、当時のデザイナー三浦大地くんのもの。今や彼はデザイナーだけじゃなくて色々なことをプロデュースしていたりしてます。「＆Anne」は私が描きました。
姉川 なるほどね。三浦大地くんはInstagramでも大人気だよね。
永田 当時はまだファッションブランドもそんなに多くなくて、キャリアブランドが百貨店を占めていたんです。それで自分なりに考えた結果、私がやるならスタイリッシュでコンサバなファッションブランドにしたいって思いました。
姉川 最初の頃は、ドレスが強みのブランドだったよね。
永田 若かったんですね、私も（笑）。「女らしさ」というブランドコンセプトは変わってはいませんが、今思えば当初は「気張った女らしさ」という感じでしたね。
姉川 でも、今や人気ファッションブランドになって。すごいよね。
永田 いやいやまだまだこれからです（笑）。立ち上げた当初、WEBショップがオープンするまでは、2～3人でやっていたんです。生産管理する人もいなかったので、発注や製品管理なども含めて全部自分でやっていました。寝る間も惜しんで頑張りましたね。しんどかったですが、とにかく楽しくてしょうがなかったんです。アドレナリン出まくっていました（笑）。
姉川 話は変わるけれど、どういうときにクリエイションのヒントを見つける？
永田 旅行が好きなので、旅先で見たもの、出会った人からインスピレーションを得ることが多いですね。国内と海外でも全然違うし、それもまた面白かったり。あと、自然とかも色づくりのインスピレ―ションになったりしますね。去年、岐阜に紅葉を見に行ったときに「ああ、この色を洋服に落とし込んだらキレイだろうな」と思い、2018AWに取り入れました。
姉川 僕もそれすごくわかる。通じるものがあるなー。モノや人との出会いや、コミュニケーションが色々なヒントをくれたりするよね。
永田 そうですよね。姉川さんはそれを企画に落とし込み、私はそれを洋服に落とし込む。表現するモノは違っても通じるところがありますよね。
姉川 6年目に突入だっけ？これからのダニー＆アンも楽しみだな。
永田 ありがとうございます！今まで、オンラインがメインだったのもありますが、目の届く空間でお洋服を紹介できるオフラインもこれからは大切にしたいなって思っています。東京の銀座三越の「Le PLAYCE（ル プレイス）」で9月5日からダニー＆アンが常設になっているんです。これからも進化し続けられるようにがんばります。
ダニー＆アンの最新コレクションを永田さん自らが着用してご紹介！
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カーキー色のシンプルなシャツワンピース。「これは、トレンチコートの薄い素材でできていて、ワンピースとしてはもちろん、羽織りとしても着られるスグレモノなんです。お客様の目も肥えてらっしゃるので、着回しのできるアイテムは必須です」。素材やディテールにも徹底したこだわりをもつダニー＆アンならではの逸品だ。
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｢スタイルが良く見えるデザインというこだわりも必須。でも、着ていてしんどいのは嫌ですよね。これは、ラインの美しさにこだわりつつ、ウエスト部分がゴムなので、ラクなんです(笑）。ワイドパンツには、甘めのレースブラウスを合わせて女性らしいパンツスタイルに」。素敵に見えるだけじゃなく、女心の細部にもこだわるあたり、さすがの一言。
永田さんの気になるバッグの中身を拝見！
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｢『バレンシアガ』のお財布は、コンパクトできれいなグリーンが新鮮で気に入っています。『ナプレ』のヘアオイルはスタイリングに欠かせない！こなれ感のあるウェットヘアが完成するんです。疲れたときやリフレッシュ用に『アヴェダ』のチャクラもいつも持ち歩いています」
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｢メイクポーチの中には……。保湿力が高くてナチュラルに仕上がる『アルマーニビューティ』のクッションファンデが必ず入っています。あとは、TPOに合わせて使い分けられるように、『M・A・C』の赤リップと『アテニア』のピンクリップを両方ポーチインしています」
Photo: kimJu Edit: Takako Kamata Direction: Pomalo inc.
