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今だからこそ伝えたい!||「三陽山長」を支え続ける職人の手仕事

今だからこそ伝えたい!「三陽山長」を支え続ける職人の手仕事

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日本には、世界のどこにも負けない靴作りの技がある。2001年、そんな確信とともに、三陽山長は生まれました。以来20年にわたって、三陽山長は品質本位を信条に掲げ"ニッポン靴の最高峰"を目指し、靴作りにありったけの情熱を注いできました。剛健、実直、繊細、精緻。三陽山長の靴には、そんな"ニッポンの職人気質"が凝縮されています。日本人にしかできない靴作り。その技と美意識をお伝えします。

革から靴へ。 それを叶える、職人たちの手

“革が化ける”と書いて、“靴”と読みます。それを叶えるのが、熟練の技を身につけた靴職人たちの手。三陽山長の靴は、ニッポン靴の聖地・浅草で作られています。決して大きくない、昔ながらの工場。そこでは、伝統の美意識を受け継いだ職人たちが日々粛々と、その技をふるっています。ニッポン靴職人たちの手仕事は、どのように“革を化けさせる”のか。実際の工程を追いながら見てみましょう。

靴作りは原料となる革を裁断するところから始まりますが、そんな第一工程から熟練の職人技が宿っています。裁断専門の職人がまず行うのは、革の見極め。どんないい革にも、細かなキズや血管の筋などがあります。職人は革全体をくまなく検分し、それらに印をつけていきます。これが甘いと仕上がりに大きな影響を与えてしまうため、最初の工程ながら非常に責任の重い仕事です。

1、 2:革の検分が終わったら、金型と裁断機を使って各部位の形に裁断していきます。キズなどを避けることはもちろん、革が伸びる方向も考慮して裁断するには長年の経験が必須。加えて、極力革をムダにしないよう裁断するのも職人技の見せどころです。 3:裁断された革は、“製甲職人”と呼ばれる担当者に渡されます。製甲とはアッパーを縫い合わせること。足踏みミシンを使って、慎重に縫い進めていきます。革の端ギリギリを乱れなく走るステッチを見ていただければ、職人の技術力はすぐにお分かりいただけるはず。 4:世界を見てもごくわずかの職人しか行えない“スキンステッチ”を行える職人も擁しています。わずか1.4㎜ほどの革を、裏まで貫通させずに縫合する絶技です。

アッパーを縫い上げたら、いよいよ木型に吊り込んで靴の形に。つま先とカカトは専用の吊り込み機を用いますが、美しいシェイプの要となるウエスト部分などは手作業で吊り込んでいきます。同じ木型を使っても、吊り込み方ひとつで仕上がりは大きく変わってきます。

1:木型にアッパーを吊り込んだら、ソールを繋ぎ合わせるためのウェルトを取り付けていきます。縫製自体はミシンが行いますが、オートメーションではなく靴をひとつひとつ手で持って作業するため、手仕事の技が結果に反映されます。 2:コルクを詰めたあと、アウトソールを取り付ける準備を行っているところ。三陽山長の靴は靴底に縫い目を出さないヒドゥンチャネル仕様のため、アウトソールの端に刃を入れてめくっていきます。 3:グッドイヤーミシンで縫い上げ、アウトソールを取り付けていきます。 4:底が付いたところ。この後、めくれている部分を閉じるとヒドゥンチャネル仕様に仕上がります。

出荷前に一足ずつ、職人がアッパーにクリームを入れて仕上げていきます。最後まで“ひと手間”を欠かさないのが三陽山長の信条です。

1:ヒールの側面にやすりがけを行い、滑らかにならしていきます。 2:コバクリームを塗ったあと、熱した鉄のコテを当ててコバを仕上げます。 3:一見わからないような小ジワも、コテでならして入念に整えます。 4:出荷を待つ完成品。箱に詰めれば、いよいよ店頭へ。

あらゆる工程に、職人たちの“手仕事”を宿す三陽山長の靴。
効率は悪くても、昔ながらの“いい靴”作りを忠実に守る。
これが、永遠に変わらない私たちの真骨頂です。

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撮影/若林武志 動画/白木努<PEACE MONKEY> 編集&文/小曽根広光 ディレクション/Pomalo inc.

 

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