【日本謹製 特別誂靴】 本物しか残らない時代に改めて追求する"最上の靴作り"
ブランドピックアップ
2021Sep12
ブランド創業20年の集大成として2021年春に誕生した「プレステージライン」。三陽山長が誇る歴史と技の粋を結集したトップグレードシリーズです。予想を大きく超える反響をいただき、登場間もなくしてほぼ完売になるほどのヒット作となった当シリーズ。無駄なものはいらない、本当に価値あるものだけが欲しい。そんな機運が高まる今だからこそ、最上の靴作りを突き詰めたい。早くも新作3モデルが加わり、いっそう充実したプレステージラインの魅力をお伝えします。
“本格”の上をゆくビスポーク・クオリティ
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矢筈コバ
コバ部分を三角形に削り出した矢筈仕上げ。日本伝統の仕立てと言われ、三陽山長でもパターンメイドや一部上級シリーズで採用してきました。通常の平コバよりエッジが立ち、端正な印象に見えるのが特徴です。
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シームレスヒール
通常は踵部分にシーム(継ぎ目)が入りますが、「プレステージライン」では一枚仕立てに。極上素材をより際立たせるための仕様です。さらに、ヒールは底に向かってテーパードしたピッチドヒールでよりエレガンスを強調。
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より精緻な縫製
もともと非常に精緻なステッチワークを行う三陽山長ですが、「プレステージライン」ではよりステッチのピッチを精緻にしています。これにより、いっそう繊細で引き締まった顔つきを演出しています。
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“謹製”の刻印
インソックの刻印も「プレステージライン」専用のものを起こしました。そこには「日本謹製 特別誂靴」の文字が。誂え靴=ビスポーク シューズに比肩するクオリティを自負するロゴです。
アッパーは幻のタンナー 「HAAS」の最高級カーフ
「プレステージライン」の靴は、知る人ぞ知るタンナーの最高級カーフを採用しています。その名は「HAAS(アース)」。フランス・アルザス地方で1842年に生まれ、今なお家族経営を貫く希少なサプライヤーです。あまりに職人気質ゆえ大量生産を拒み、“いい革ができるときしか作らない”という頑固一徹な姿勢を堅持。それゆえ、飛び抜けたクオリティにもかかわらずその名があまり知られていないのです。三陽山長では、交渉を重ねて同社の素材を買い付けることに成功。適度なハリとしなやかさ、きめ細かな美しさを備えた、理想的なボックスカーフです。2021年春に登場したデビュー作3型には、非常に繊細な型押しを施した「水シボ」(左)革を採用しましたが、秋に加わる3作にはスムースレザー(右)をチョイス。ごくわずかな違いですが、比べてみると表情の差がわかります。
新作3型が加わり、 さらに充実の顔ぶれに
「謹製 匠一郎」
アッパーのステッチを一切表に出さない「レベルソ仕立て」が特徴の「匠一郎」。それをプレステージラインのクオリティで表現したのが「謹製 匠一郎」です。大枠のデザインは同じですが、HAAS社の最高級ボックスカーフを採用し、リブテープを省くことで非常に優れた屈曲性を実現した「フレキシブルグッドイヤーウェルト製法」で仕立てるなど、最高峰のアップグレードを行なっています。アウトソールの側面を三角に削り上げた矢筈コバや土踏まず部分を立体的に絞り込んだセミべヴェルドウエストなど、細部までこだわりを詰め込みました。
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“レベルソ(反転)”という名前は、ステッチを隠すために革の端を折り返して仕上げる技法に由来。ミニマルでありながら立体感のある、印象的な顔立ちが魅力です。当然ながら、普通の靴より格段に手間がかかります。
「謹製 勘三郎」
こちらも既存の定番モデルをプレステージラインのクオリティにアップグレードした一足。最大の見どころはトウに施された「スキンステッチ」で、最高の職人技を象徴する意匠として広く知られています。これは、2枚の革をステッチでつなぎ合わせる際、革の裏側に針を貫通させずに縫い上げるという技法。革の厚さはわずか1㎜程度と聞けば、いかに超絶難度の技か想像できるのではないでしょうか。また、三陽山長の看板ラスト「R2010」を用いつつカジュアルなUチップに仕立てているため、合わせる服を選ばないのも本作の強みです。
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トウに施されているのがスキンステッチ。世界的に見ても、これを美しく行える職人はごくわずかといわれています。靴好きが見ればすぐにわかる、クラフトマンシップを象徴するディテールです。
「謹製 定九郎」
乗馬靴に由来するジョッパーブーツもプレステージラインの新作として登場。三陽山長のアーカイブをベースに約10数年振りに復刻した、通常ラインにはないデザインです。短靴以上に素材のクオリティと職人の技術が表れるといわれるブーツ。極上のHAASレザーを入念に吊り込み、その後しっかり時間をかけて木型に馴染ませることで、最高峰と胸を張れる仕上がりを実現しました。一般的なジョッパーブーツはストラップをぐるぐると巻きつけるデザインになっていますが、「謹製 定九郎」はストラップをやや短めに設計してモダナイズを図っています。
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ブーツとしては珍しく、かかとを一枚革で仕立てたドレッシーな仕立てである「シームレスヒール」を採用。ヒールの積み上げをわずかにテーパードさせた「ピッチドヒール」ともあいまって、非常にエレガントなたたずまいに仕上げています。
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構成・文/SANYO Style MAGAZINE編集部
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