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三陽山長、5つの

三陽山長、5つの"代表銘靴"

ブランドピックアップ

伝統ある和菓子店には必ず"代表銘菓"とよばれるものがありますが、三陽山長も20年の歴史が生んだ"代表銘靴"を擁しています。それぞれに異なる魅力を有した人気モデル5足、その見どころを解説いたします。

友二郎

ブランドの哲学を象徴するストレートチップ


靴ブランドにとって、ストレートチップは“看板”のような存在。“基本のき”といえるベーシックデザインゆえ、靴作りに対する美意識が如実に表れるためです。この友二郎も、三陽山長の姿勢を象徴する一足。日本人にとって最も履きやすく、美しく見える形を追求した「R2010」ラストを採用し、ステッチ一針まで精緻さを突き詰めた一足です。時代を超越した普遍的デザインゆえ、一生かけてご愛用いただけるモデル。

  • さりげない優美を宿す
    スワンネックステッチ


    アイレットのすぐ横には、独特なカーブを描くステッチがあしらわれています。白鳥の首のように見えることから“スワンネックステッチ”ともよばれる意匠で、シンプルなストレートチップに控えめな華を添えています。

  • 小ぶりなトウキャップ


    ストレートチップの印象を左右するのがトウキャップ。これが大きめだと素朴で力強い印象が、小ぶりだと端正でストイックな印象が強くなります。友二郎のトウキャップはやや小ぶり。繊細なステッチともマッチしています。

勘三郎

手仕事が凝縮されたUチップ


下で解説するとおり、世界的に見ても希少な職人技によって作られた一足。工芸品のようなたたずまいを宿す一方、程よくカジュアルなデザインのため合わせる洋服を選ばない使いやすさも備えています。スーツやジャケットに合わせてビジネスシーンに活用するのはもちろん、ジーンズに合わせて休日スタイルに取り入れてもよし。やや明るめのブラウンカーフは、経年変化によってさらに味を増すのも魅力。ラストは友二郎と同じ「R2010」。

  • 職人技の象徴・スキンステッチ


    つま先にあしらわれたスキンステッチは、靴好きなら誰もが知る意匠。厚さわずか数ミリの革に貫通させることなく針を通し、繋ぎ合わせるテクニックです。ごく一握りの熟練職人だけが可能な超絶技。

  • カジュアル使いしやすい外羽根


    靴紐を通す部分のパーツが靴の上に被さる外羽根式デザインで、カジュアルな印象を発揮。友二郎と同じドレス木型との組み合わせによって、品格と軽快感を兼備したたたずまいを演出してくれます。

源四郎

品格を宿すダブルモンクシューズ


ラウンドトウラスト「R2010」を採用しながら、一味違う表情をたたえたダブルモンクストラップシューズ。勘三郎と同様、オン・オフどちらにも対応する万能靴です。深みのあるコーヒーカーフを採用し、大人らしい落ち着きに加え、品のいい色気も醸し出す一足に。小ぶりなトウキャップは友二郎にも通じるデザイン。端正で凛とした足元を演出できます。

  • 程よく主張する横顔


    ダブルモンクはボリュームのあるフォルムのものが多いですが、源四郎の横顔は洗練された品のある面持ち。足元の存在感が強すぎないため、スーツスタイルにもマッチするエレガンスを備えています。

  • 一閃の輝きを放つバックル


    シャープな印象のスクエアバックルが足元でキラリと輝き、程よいアクセントとして機能。これ見よがしには見せず、さりげない華やかさを装いにプラスできます。

弥伍郎

フィット感を追求したベーシックローファー


甲を短めに設定し、丸みをもたせたフォルムが愛らしい一足。とはいえ決して野暮ったくは見えず、三陽山長らしい洗練をベースにしています。ローファーは踵が抜けやすいなどフィッティングが難しいものですが、R2010をベースに開発した「R2013」ラストは日本人の足にぴったり沿う優れたホールド感を実現。一格上の履き心地を味わえると評判です。

  • 手縫いで施されたモカステッチ


    アメリカンローファーを思わせるつまみモカは、熟練職人による手縫いで仕上げられたもの。力強い存在感を漂わせつつ、繊細さもたたえた表情がニッポン靴ならではです。

  • 奥ゆかしく仕上げた “窓”


    甲を覆うストラップ部分にあしらわれた“窓”はコインローファーの顔といえるデザイン。ブランドによってさまざまな形状がありますが、弥伍郎のそれは小さめで奥ゆかしい印象です。

鹿三郎

トラッドな趣が薫るタッセルローファー


房飾りのついたタッセルローファーはトラッドのアイコンシューズ。コインローファーよりもドレス感が高い靴とされ、スーツにもマッチするデザインとして知られています。弥伍郎と比べるとやや細身のフォルムで、クラシックな足元に貢献。近年人気を博している裾幅広めなパンツにも好相性で、装飾性の高いルックスでありながら万能にコーディネートできます。

  • 存在感ある編み紐使い


    履き口からタッセルにかけてを囲む革紐は編み込みのものを採用。よりトラディショナルな趣を醸し出し、存在感を高めてくれます。モカ部分は弥伍郎と同じく手縫い仕上げ。

  • 定番ラストを
    ローファー用にモディファイ


    代表木型R2010をアレンジした「R2010S」を採用。流麗なラウンドトウシェイプはそのままに、甲やヒールなどに修正を加えてローファーに最適な履き心地を叶えました。

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編集&文/小曽根広光 ディレクション/Pomalo inc.

 

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