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トレンチコートの常識をくつがえす|| クオリティの高みを目指して

トレンチコートの常識をくつがえす クオリティの高みを目指して

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一生をかけて愛せる、"ほんとうにいいもの"を届けたい。そんな想いを形にして生まれた「100年コート」をつくりつづけて、わたしたちには、さらなる目標が見えてきました。「今までの常識をくつがえすような、唯一無二のコートを生み出したい」高級素材を惜しげなく使い、思う存分に手間ひまをかけて、些細なディテールまで妥協なく。あらゆるハイクオリティを凝縮したコート、その全容をここにご紹介します。

本格コートをつくり続けてきた、歴史の集大成となるコートが完成

  • 1946年からコートづくりを続け、クオリティにかけては日本屈指と評されるSANYOCOAT。その技術を結集して2013年に生まれたのが「100年コート」です。手入れを繰り返しながら大切に着て、月日をともにしながら“育てる”コート。ものを大切にする日本人のメンタリティを体現する服として、これまで高い評価をいただいてきました。そして2022年、さらなる高みを目指して誕生したのが「100年コート 極KIWAMI」です。モデルはメンズ・ウィメンズ各1型のみ。“これしかない”と心から自信をもってご提案できるからこそ絞り込んだ、SANYOCOATの集大成といえるモデルです。

大自然と人の手が育んだ、"宝石"級のコットン

"究極"の名を冠するオーガニックコットン「アルティメイトピマ」

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「100年コート 極KIWAMI」プロジェクトの第一歩は、素材探しから始まりました。吟味に吟味を重ねてたどり着いたのは、「アルティメイトピマ」とよばれるオーガニックコットン。“綿の宝石”と称されるシーアイランドコットンと同系列に属する綿花を、オーガニックコットンの名産地であるアメリカで栽培したものです。農薬を用いず、代わりに手間ひまをたっぷりと費やして育てるのは、契約農家のドーシー・アルバレスさん。広大な大地ですくすくと育った綿花は、一本一本の繊維が長く繊細。それでいて適度な耐久性も備えます。


この綿花を糸につむぐのは、長年オーガニックコットンの生産に取り組み、環境にも配慮したものづくりを行う大正紡績。耐久性を高めるため、あえて太い糸に紡績しました。原綿が細く柔らかいため、太い糸にしても柔らかく仕上がります。しなやかで丈夫。コート用の素材としては、まさに理想的です。この糸をぎっしりと高密度に織り上げることで、絶品の美しさを備えたコート生地が完成します。

  • 既存の「100年コート」(写真右)とは微妙にトーンが異なりますが、どちらもタテ糸・ヨコ糸の色を変えることで、見る角度によって微妙に色みが変わるニュアンス豊かな生地に仕上げています。耐久はっ水で雨水を弾き、日本古来の藍染めと同じ原理で染めることで色落ちに強いのも特徴。

より美しく、より快適に。"体幹に沿う"フィッティング

  • 素材の上質さを最大限に活かすべく、型紙も再考しました。100年コートの「クラシックモデル」をベースにしつつ、たっぷりとゆとりをもたせたAラインに仕上げて立体的なドレープ美を演出。着丈も長くとることで、歩くと裾がゆらめく優美なたたずまいを叶えています。最高級のオーガニックコットン生地を惜しげなくたっぷりと使い、非常に高級感のある一着となりました。


    一方、軽い着心地を叶えるための工夫も凝らしています。コートの襟首が頚椎に乗り、体幹に沿って支えられるよう型紙を組むことで、生地の重量を分散させ重さを感じにくくなる設計に。伝統的なテーラードジャケットにも通じる技法です。


    袖付けはクラシックなラグランスリーブ。肩の丸みへ自然に沿い、優雅なシルエットを描き出すことに加え、腕の可動域を確保し動きやすさにも貢献します。

  • ライニングのダウンもMade in 青森


    100年コートのアイコンである「三陽格子」をあしらった、着脱式のライニングを備える「100年コート 極KIWAMI」。ライニングの背中部分にはダウンパックを仕込み、防寒性をアップさせています。ちなみにこのダウンパック部分も、青森に構える自社ファクトリー「サンヨーソーイング」でつくられたもの。さらに中身のダウン自体もMade in青森です。この地で歴史を育んできたSANYOCOATだからこそ、“地元”にこだわりたい。そんな意気込みの表れです。

  • 総合力を高めて進化するサンヨーソーイング青森ファクトリー


    1969年の創業以来、SANYOCOATの生産拠点となってきたコート専業の自社工場「サンヨーソーイング 青森ファクトリー」。手仕事を用いた伝統の職人技術を受け継ぐ一方、ものづくりの可能性を広げるために新しい挑戦も続けています。その一例が、上で紹介した自社製ダウンライニング。トレンチなどクラシックコートづくりをお家芸とする同ファクトリーですが、最近になってダウンづくりの設備を新設。伝統の強みだけに固執せず、コートメーカーとしての総合力を高めるために日々研鑽を重ねています。

細部までアップグレードしたハイクオリティな仕立て

あらゆるディテールまで妥協なくつくり込む。これも「100年コート 極KIWAMI」が掲げるテーマです。たとえばウエストベルト。既存の「100年コート」はシンプルなベルトですが、こちらは、“Dリング”とよばれる金具を設置。トレンチのルーツであるミリタリーコートに採用されていた、歴史的意匠です。またポケットには「100年コート」独自の仕様として、ボタンを留めたままで中に着たジャケットやパンツのポケットにアクセスできるスリットを設けました。よく見るとポケットの入り口が微妙にカーブを描いている点にも注目。手をスムースに入れられるよう配慮した設計です。


さらにボタンにもポイントが。希少な本水牛を材料にしつつ、ボタン糸を通す穴に段差をつけているのが特徴です。これは“たぬき穴”とよばれるもので、ボタン糸を切れにくくするために考案されたディテールです。側面には「SANYOCOAT」のロゴを刻印。仕上げにもひと手間かけました。そして、外からは見えないライニングの素材もアップグレード。繊細なスーパー120’sウールを用いることで、より軽くなめらかな着心地に仕上げています。


素材・型紙・縫製・意匠。あらゆるクオリティを突き詰めた「100年コート 極KIWAMI」。着込めば着込むほど、その魅力を感じていただけるはずです。

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