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伝説の靴職人が手がけた、||日本最高峰の紳士靴を「謹製」の名のもとに復刻!

伝説の靴職人が手がけた、日本最高峰の紳士靴を「謹製」の名のもとに復刻!

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ビジネスのカジュアル化が浸透した今、もはや紳士靴は売れない。そんな世間の声を吹き飛ばすかのように躍進しているのが、三陽山長の最高級シリーズ「プレステージライン」です。その最新コレクションが、何やら会心の出来みたいです!

今作も完売か!? 「謹製」の名に相応しい最上位モデル!

時は2021年。ビジネスのカジュアル化が一層加速した中、“謹製”と銘打った三陽山長の最上位に位置づけられる「プレステージライン」は誕生しました。紳士靴業界が苦境に立たされている中とあって思い切った挑戦との声もありましたが、蓋を開ければほぼ全てのモデルが完売という快挙! そして今回、第4弾となる2022年秋冬コレクションが発表されました。


見どころは、伝説の靴職人・関 信義氏が生前遺した逸品を蘇らせていること。戦後から靴職人の道に進み、日本最高峰の靴職人として認められた、まさに本格靴業界のレジェンドである関氏は、かつて三陽山長のオーダーシューズを製作していた人物でもあります。今回は、そんな関氏が手がけたデザインサンプルを元に、現代のエッセンスと技術を織り交ぜて復刻させているんです。


そんな靴好きには垂涎の的である新作3モデルを通して、その魅力をご紹介しましょう!

ベーシックだからこそ、質の違いが如実に

こちらの【謹製 星之丞】は、三陽山長におけるマスターラスト・ラウンドトゥ「R2010」を採用したストレートチップ。見ての通りレベルソ仕立てを採用した、実に美しい顔つきになっています。アッパーには、1842年に創業し、今もなお家族経営を貫く、知る人ぞ知るフランスの老舗タンナー・HAAS社製ボックスカーフを使用。ちなみに「プレステージライン」全モデルには、一歩目から快適な履き心地を実現する、三陽山長の独自製法「フレキシブルグッドイヤーウェルト製法」が採用されています。

革端を薄く削ぎ、折り返すことでステッチが表に出ないレベルソ仕立て。そのスムージーなシルエットに、縫製技術、そして吊り込み技術の高さが伺えます。

こんなに美しいダブルモンクって見たことあります?

ダブルモンクながら、すっきりと洗練された印象に仕上げた【謹製 義之丞】。コバ周りを華奢に見せる矢筈コバも、より一層際立ちます。見どころはストラップ。後ろへ流れるようにレイアウトすることで、より美しく見せています。ラストはR2010をベースにスリッポン用にアレンジした「R2010S」を採用。重厚な印象の強いダブルモンクを、シャープでエレガントな一足に仕上げています。

見た目に美しいストラップデザインですが、通常のラストではいざ履くとストラップが浮いてしまいます。甲部分をやや低めに抑えることでホールド感を高めたスリッポン用ラストを採用し、それを解決しているんです。

これぞまさしく"神は細部に宿る"の典型例

サイドにゴムを配し、レザーでカバーしたサイドエラスティックが特徴の【謹製 蔵之丞】。上端を切りっぱなしにせず、わざわざ折り返して縫製する手間をかけています。脱ぎ履きが容易な一足ながら、土踏まずに丸みを持たせるセミベヴェルドウエストやシームレスヒールといった高い美意識は変わらず。ラストはR2010。ソールにはドイツ製タンナー・MARTIN社製の堅牢なオークバーグベンズが使われています。

一般的に切りっぱなしにされることが多い、エラスティック部分の上端。折り返すことで上から見た時にもゴムが露出しません。内側がゴワつかないよう、重なる部分を薄く削いでいる点にも注目。

キャップとヴァンプ部には、折り返して縫製するカールエッジを採用。エラスティック部分と同様に、革の断面を極力見せないことで、上質な仕立てであることを主張します。

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撮影/島本一男<BAARL> スタイリング/高塩崇宏 文/安岡将文 ディレクション/大崎文菊<Roaster>、Pomalo inc.

 

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