三陽商会のファッションウェブマガジン

持続可能な社会とは生活やファッションとどんなつながりがあるの?

持続可能な社会とは生活やファッションとどんなつながりがあるの?

LIFE STYLE

昨今、「SDGs」とともに「持続可能な社会」という表現も多く聞かれます。しかし「持続可能」とはなにか、具体的なイメージがわかない場合も多くみられます。この記事では、持続可能な社会とは何かを簡単に紹介しつつ、ファッションの観点からみたとき、自分の暮らしや企業のどんな部分が持続可能な社会と関連するのかについて紹介します。

持続可能な社会とは?新しいビジネスやライフスタイルが必要

ここでは持続可能な社会とはなにかについて簡単にご紹介します。


持続可能な社会の意味
電気やガソリンを作るもとになる石油や石炭は天然資源であり、今と同じように使い続ければいつかなくなってしまいます。しかし現代の人々が突然電気や自動車を使わずに経済を維持したり生活したりするのは不可能です。つまり現代の生活を持続するためには、社会の利便性や経済の発展だけでなく、環境面からみても無理が生じないようにする必要があります。


SDGsにおける17の目標
SDGsとは、2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されています。持続可能な社会を実現させて豊かで活力ある未来を創るために、17の国際目標が定められました。

(例)
・貧困や差別など伝統的な社会問題の改善
・経済成長を促すためにクリーンなエネルギーや資源の有効活用
・働き方の改善、不平等の解消
・気候変動、海洋汚染などへの対策


SGDsは国際社会全体がそれぞれに役割を持って行動することを重視しています。17の国際目標はさらに細分化され、169のターゲットと232の指標が決められています。2030年までは「行動の10年」として、特に一人ひとりの行動が強く呼びかけられています。


新しい価値観の創出が必要
持続可能な社会とは、誰一人取り残さない社会です。例えば激安衣類が求められた結果、どこかの国で相場以下の低賃金で働かされる人がいれば、その人は豊かな生活から取り残されてしまいます。このような問題が起きないよう工夫するのが持続可能な社会の具体的な施策です。つまり限りある地球資源を守り持続可能な社会を実現するために、「今までの生活の中で無駄はないか」など新しい価値観を取り入れた行動が求められています。

生活における持続可能な社会とは

持続可能な社会とは、国や企業などが取り組んでさえいれば達成できるというものではありません。ここでは消費者である私たち一人ひとりが、持続可能な社会へ向けてできることを紹介します。


愛着をもって長く楽しむ
生活に持続可能な社会の考え方を取り入れるためには、大量生産、大量消費の考えをあらためることが大切。昔からいわれてきた「もったいない」の感覚を重視して無駄を除くのがポイントです。

(例)
・マイバッグやマイボトルを持参する
・レジ袋やプラスチック製品の消費を減らす
・食べ残しをしない、余り食材を活用する
・不要になった衣類はリユースやリサイクルに活用する


健康維持に努め無駄をなくす
昨今、自立した生活を送れる期間である健康寿命を伸ばすことは、持続可能な社会の維持の観点からも重要。医療にかかる負担が軽減できるほか、自分が健康であればいざというときに誰かを助けることもできます。また、自動車や公共交通機関を使わず体を動かせば自分で消費するエネルギー量が減らせます。

(例)
・栄養バランスを考えて食事を摂る
・徒歩や自転車で通勤・通学する
・二酸化炭素排出量の少ない交通手段を使う


環境に配慮した製品を購入する
製品を輸送する場合、トラックがガソリンを消費します。地産地消に努めるだけでも省エネにつながるのです。また、公正な取引を行っている証であるフェアトレード商品を選べば、貧しい地域や人々の生活を間接的に支えられます。

(例)
・環境に配慮した製品を購入する
・地元の商店から地元産のものを買う
・フェアトレード商品を買う


企業における持続可能な社会とは

企業が行っている持続可能な社会へ向けた取り組みについて、ファッション業界を例にとり紹介します。


無駄をなくし長持ちする服を作る
消費者側と同様に、生産者側もデザインや品質を高める技術革新を行い、1枚を大切に着てもらえるように魅力的な服を製造するよう努めています。品質管理も重要。用途や素材にあわせて、色の変わりにくさや色落ちのしにくさ、強度などを確認しています。また、生産、販売する際の残りも単に廃棄するのではなく、エコバッグを作るなどリユースして魅力ある商品の素材に活かされているのです。


再生可能な材料を使う
「アニマルウェルフェア」とは、素材に工夫を凝らして衣服を作る際に動物を搾取しない動き。リアルファーや象牙など服飾品として価値のあるものも、自然の豊かさを守る観点からは不適当です。また、店舗が提供する買い物袋(ショッパー)をすべて紙製に切り替えてプラスチック使用量を削減するなど、再生可能な材料の活用も進んでいます。


調達や製造、販売でも環境や社会に配慮
製造やその後の運搬、販売面では、働きがいや女性活躍の推進が加速しています。また、製造から販売までの間には電気やガソリンなどエネルギーが不可欠です。ここでも太陽光など温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを導入して省エネが図られています。物流の効率化を通して二酸化炭素排出量を削減するほか、荷待ち時間を減らし荷下ろしの生産性を挙げる「ホワイト物流」の取り組みも行われています。

持続可能な社会とは無理なく無駄を排除することが重要

持続可能な社会とは、経済成長や便利さの追求に限らず環境への負荷も考慮して長期的に発展し続ける社会を目指すものです。自分自身が行動することで、持続可能な社会により近づいていきます。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/amana images

 

PAGE TOP