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更年期と関節痛の関係は?痛みを予防する生活のポイントも解説

更年期と関節痛の関係は?痛みを予防する生活のポイントも解説

LIFE STYLE

更年期に起きる不調のなかに関節痛があります。この記事では、更年期に関節が痛む原因や関節痛を予防するのに役立つ生活のポイントをご紹介します。日常の行動に取り入れて、更年期をより快適に過ごしましょう。

更年期の代表的な症状

更年期は、閉経の前後数年の間に女性ホルモンの分泌量が変動することで起こります。女性ホルモンの分泌をコントロールしているのは、脳の視床下部と脳下垂体という場所。これらには、自律神経や内分泌、免疫、感情などに影響を及ぼす作用があります。

更年期の症状や程度は人により異なり、はっきりとした病気とは言えない状況にもかかわらず、さまざまな自覚症状が現れやすくなります。まず女性の更年期に起こりやすい症状を見ていきましょう。


体温調節がうまくいかないことがある
脳の視床下部には、血流や血圧、心拍、発汗、体温調節をつかさどる働きがあります。ホルモン分泌が乱れると、自律神経の乱れにつながることがあり、腰や手足が冷えやすくなるほか、顔がほてったり汗をかきやすくなったりします。


心が落ち着かないことがある
脳から卵巣にホルモンの分泌を促す指令が出ていても、更年期で卵巣の機能が低下していると、十分に応えられません。脳は命令に対する反応が受け取れないため混乱をします。脳の混乱がそのまま自律神経に影響すると、感情までが乱れてしまうことに。

寝つきが悪かったり眠りが浅かったりと睡眠が取りにくい、ふとしたときに怒りを感じやすい、くよくよと悩んでしまいやすい、以前よりも疲れやすいといった症状も更年期に現れやすい不調です。


関節痛がある場合も
関節痛自体は更年期とは関係なく起こる不調のため、必ずしも女性ホルモンが分泌されにくくなることと大きな関係があるとは言い切れません。しかし人によっては関節の痛みを感じる人がいます。

関節痛として現れる場所は、腰や背中、かかとなどで痛む場所は一定ではありません。

もし更年期に差しかかっていて、階段の昇り降りに痛みを感じる場合にはホルモンバランスの乱れが関節痛の原因になっている可能性があります。

更年期の影響で関節痛になっている場合は、手のしびれやこわばり、手首の関節がいつまでも痛い、ヒールのある靴を履くと今までよりも強く足が傷むなどが感じられる場合もあります。

更年期に関節痛を患う原因

ここでは更年期による関節痛の原因をご紹介します。


軟骨や筋肉の衰え
更年期の関節痛は、最も一般的な関節炎である変形性関節症とは原因が異なります。変形性関節症は、加齢に伴い多く発症します。関節が硬くなると関節の間にある軟骨が摩耗し始め、周辺の組織が破壊され炎症が起こることでひざや手指の関節などが痛むようになるのです。

女性ホルモンの分泌が低下すると、加齢による変形性関節症と同様に関節の間にある軟骨や筋肉も衰えてしまいます。周辺に炎症が起これば痛みを感じるのです。


関節内の水分減少
本来軟骨は、水分を保持していて弾力がある状態です。しかし軟骨の水分や弾力が減ってしまうと、軟骨の周辺を動かそうとした場合に痛みを生じます。これが更年期の関節痛の一因です。


血液の循環が悪い
自律神経のバランスが乱れていると血行不良やむくみを起こしやすいです。血液循環が悪くなっている場合、筋肉を動かしたときに貯まる疲労物質が停滞しやすい状態になってしまいます。

首や肩、腰、関節などは疲労物質が蓄積して緊張したり炎症を起こしたりする可能性が。場合によっては関節が痛む原因になるのです。

更年期の関節痛を緩和させるポイント

ここでは更年期で関節痛を感じている場合に緩和を図る方法をご紹介します。もし症状の改善がみられない場合には医師の診察を受けましょう。


適度な運動
まず運動で体を温めることが重要です。ジョギングなどで体を動かすことで、関節痛のほか更年期に起こりやすい抑うつ状態の緩和も図れます。

取り入れる運動の種類は、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど軽いものでも構いません。


・英雄のポーズ
1.まっすぐに立ち片足を大きく前に出す
2.逆の足を後ろへ下げる
3.息を吐きながら、前側のひざを90°になるように意識しながら、ゆっくり腰を落としてひざを曲げる
4.ゆっくりと息を吸いながら、両手を頭の上で合わせる
5.視線は上に向け、背筋を伸ばしながらゆっくりと後ろに反る
6.可能であれば反った姿勢のまま数回呼吸をする


・全身の背伸び
1.あおむけに寝て両手を頭の上に伸ばす
2.両手足に力を入れてぐっと背伸びをする
3.少ししたら脱力する
4.数回繰り返す


・死者のポーズ
1.あおむけに寝て前進の力を抜き軽く目を閉じる
2.腕を開いて体からやや離す
3.手のひらを上に向けて足もゆったり開き全身の力を抜く
4.リラックスしながら複式呼吸をする


血流の改善を促す
血流をスムーズにするには、体を温めて血管を拡張させるのがポイント。入浴などで体を温めるほか、ストレスや食生活の乱れを改善することなども有効です。緑黄色野菜や魚、豆類などを摂りましょう。


サプリメントの活用
更年期の症状は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ることで起こります。納豆や豆類に含まれるイソフラボンは体内で女性ホルモンのような働きをします。食事だけで十分イソフラボンが摂取できない場合には、サプリメントを活用するのも一案です。

更年期の関節痛は我慢せず改善を図ろう

関節の違和感や痛みは我慢しづらいもの。体内の女性ホルモンの分泌量はコントロールできないものの、運動や食事など生活の仕方については改善の余地があります。この記事を参考に、自分の体を労わってみましょう。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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