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成人の日とはどんな日?成人式の歴史や装いのポイントを解説

成人の日とはどんな日?成人式の歴史や装いのポイントを解説

LIFE STYLE

成人式は、成人を記念して行われますが、その概要や歴史はどのようなものでしょうか?この記事では成人の日の概要をはじめ、成人式の歴史や服装、マナーなども併せてご紹介します。

成人の日とは大人になったことを祝う祝日

成人の日とはどんな祝日なのか、成人の日付近に行われることが多い成人式の概要をご紹介します。


成人の日の趣旨
国民の祝日に関する法律によると、成人の日には「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」という趣旨があります。

市区町村ごとに異なりますが、成人の日には、20歳に達した男女を対象に成人式を行い記念品が贈られることが多くみられます。地域によっては、以前住んでいた地域の成人式に出席することも可能です。


成人の日は1月の第2月曜日
成人の日は従来、毎年1月15日に実施されていましたが、2000年からハッピーマンデーにより1月の第2月曜日に変更されました。

月曜日が祝日になると土曜日、日曜日と合わせて3連休で休みが取得できるケースが多く、成人式で帰省をする場合にも移動しやすくなります。

尚、成人の日と同様にハッピーマンデーとなった祝日には体育の日や海の日、敬老の日があります。


成人式は夏に行われる場合も
成人式は、北海道、東北地方、山陰地方など雪の多い地域では、ゴールデンウイークやお盆の時期などに行われる場合があります。

雪が多く積もっている場合、着物で新成人が移動するのは難しい可能性があります。さらに積雪で交通が乱れている場合、地元に帰省して成人式に臨む際の負担が大きくなるからです。

成人の日の歴史を知ろう

現代の成人の日は、国民の祝日として第2次世界大戦終戦が終わった直後の1946年に、若者に希望を与えるために始まりました。しかし成人を祝う成人式自体は古くから行われていたのです。


成人式の由来は古くからある
成人の日は「元服式(げんぷくしき)」が由来だとされています。元服は、成人となった男性の頭に冠を着ける儀式です。

織田信長は13歳ごろ、徳川家康は14歳ごろ、伊達政宗は11歳と、元服式を行う年齢は人によるものの、平安時代以降は12~16歳ごろに行われるのが一般的でした。

女性の場合は、唐衣(からぎぬ)を初めて着る「裳着(もぎ)」という儀式が成人式にあたります。裳着を行った女性は結婚できるとみなされていたため、男性と同じ年ごろに裳着を行っていたのです。

平安時代における公家の成人女性の正装は、唐衣と呼ばれる袖幅が狭く丈の短い着物です。さらに十二単(じゅうにひとえ)の一番表の腰側に裳(も)を着用していました。


成人式に着る振り袖の意味
振り袖は江戸時代に登場した着物で、明治以降は未婚女性の正装とされています。

明治時代には女性から男性に対して好き嫌いを表現できない風潮があったため、袖を振ることで嫌いと表現するなどの意思表示が行われていたといわれています。

つまり振り袖は恋愛ができる女性の象徴であり、結婚した女性は袖を短く整えた留袖(とめそで)を着用するのが正式です。

また、振り袖には厄除けの願いも込められているという考え方もあります。「長い袖で厄を振り払う」という願いを込めて振り袖が着られるようになったともいわれています。


海外における成人の日とは
韓国では5月の第3月曜日が「成年の日(ソンニョネナル)」といわれ、満19歳になった成人を祝います。しかし、祝日ではなく式典も行われません。

中国では18歳以上を成人としています。もともと日本の元服の由来となった成人の儀式がありましたが、現在では行われていません。その代わり高校三年生向けに学校行事として成人式が行われることがあります。

成人式は英語でcoming-of-age ceremonyと表現されます。しかし、ユダヤ教を含まないアメリカやオーストラリア、ドイツなどは成人式がありません。

イギリスでは、成年を祝って花火を打ち上げることがあります。またアフリカなどでは、大型な獣や海獣のように危険な生物と戦い倒せるかどうかを見守るといった、度胸試しの儀式が行われる場合もあります。

成人式に着る服装の選び方とマナー

成人の日に行われることが多い成人式のファッションについて簡単に紹介します。


成人式に着る服装は礼装を選ぶ
成人式に着ていく服装として、男性は紋付羽織袴、女性は振り袖を選ぶ方が多くみられますが、スーツでも構いません。

成人式は大人の仲間入りをするという式典であり、冠婚葬祭でいうと冠(おめでたいこと)にあたります。そこで服装はフォーマル(正礼装)で臨むのが原則です。

TPOに合わせることは、大人のマナーであり、カジュアルな服装は厳禁です。


成人式に着るスーツと振り袖の選び方
成人式に着ていく服装は以下のようなものがおすすめです。


・男性和装:羽織の紋の数は5つが正式ですが、三つ紋や一つ紋でも可
・男性洋装:濃紺、黒、ダークグレーのダークスーツで柄入りは避ける
・女性和装:振り袖。夏の場合は絽か紗の振り袖
・女性洋装:アフタヌーンドレス(露出の少ない長い丈のドレス)。夏の場合はボレロやショールと合わせた薄手のパーティドレスも可


成人式に気をつけたいマナー
成人式では、私語やスマートフォンを見ているような態度は厳禁です。背筋を伸ばして佇まいにも注意をしましょう。

振り袖を着ていく場合は、いつもより歩幅を狭くして歩くのがポイントです。さらに階段の上り下りでは裾を引きずらないようにしましょう。

座る際には、帯が椅子の背もたれに当たらないように浅く腰掛け、袖を引きずらないよう膝の上に畳んでおきます。

電車にはつり革を握って腕が大きく見えてしまわないように、袖の下を開いている手で軽く押さえるよう気を配りましょう。

成人の日とは日本ならではの祝日

成人の日とは、1月の第2月曜日になる国民の祝日です。成人式は、成人式に近い日程で実施される傾向があり、振り袖を着用する女性が多く華やかな式典です。一方海外では成人の日を祝日にするケースはあまり聞かれません。

成人式に参加する場合は、式典であることを踏まえた服装と態度を心がけましょう。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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