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マルチタスクは脳の負担が大きい?疲れた脳を休める6つの方法

マルチタスクは脳の負担が大きい?疲れた脳を休める6つの方法

LIFE STYLE

仕事の効率が上がるメリットからマルチタスクを取り入れているものの、あまり成果が出ないと感じることはありませんか?実はマルチタスクは脳への負担が大きく、疲れやすい状態になるといわれています。マルチタスクによって脳はどんな影響を受けるのでしょうか。本記事では、マルチタスクと脳の関係や、疲れた脳を休めるのにおすすめの方法をご紹介します。

マルチタスクと脳の関係

マルチタスクは脳とどんな関係があるのでしょうか?マルチタスクが脳にどんな影響を与えるのか解説していきます。


人間の脳が対応できるのは2つのタスク処理まで
タスクの切り替えについてのテストを行った結果、人間の脳が処理できるタスクは2つが限界であるとScience誌に掲載されたことがあります。

レポートを発表したのは、フランス国立保健医学研究所(Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale)のシルバン・シャロン氏と、高等師範学校(École normale supérieure)のエティエン・ケクラン氏です。

シングルタスクでは、前頭葉にある左右の内側前頭皮質が共同で働きます。さまざまな条件で2つのタスクを実行するテストでは、適切な判断を行う前頭前野によって調整され、左右の内側前頭皮質が分割することが確認されました。

テストの結果、脳が同時に推進できるのは2つの目標までという結論に至ったのです。


マルチタスクの負荷がメンタルに影響する
前頭前野には、浅く考える機能、深く考える機能、ぼんやり考える機能があり、状況によって切り替わっています。マルチタスクによって脳が疲れると、前頭前野の情報処理機能が全体的に低下することに。

浅く考える機能が低下すると物忘れによるミスが起こりやすくなり、深く考える機能が低下することで判断力や集中力が落ちます。前頭前野は自律神経とも密接につながっている部分です。そのため、脳が疲れると自律神経が乱れてメンタルに影響を及ぼす可能性があります。

マルチタスクが引き起こす脳過労とは?

マルチタスクによって脳を使いすぎると、脳過労になる可能性があります。大人の女性は脳が疲れやすくなっているので、注意が必要です。


大人の女性は脳が疲れやすい状態
女性は男性よりもマルチタスクが得意とされています。しかし、仕事や家事、育児など、常にマルチタスクをこなしていると、脳に過剰な負担がかかってとても疲れやすい状態です。

さらに、大人の女性は更年期を迎える年齢でもあります。一般的に閉経を挟んで45~55歳の期間とされ、女性ホルモンの1種であるエストロゲンの分泌量が急激に減少することで起こります。

女性ホルモンをコントロールしているのは脳の視床下部です。視床下部はエストロゲンが低下すると、卵巣にもっとエストロゲンを出すようにサインを送りますが、卵巣は女性ホルモンの分泌ができません。

そのため脳が混乱状態となり、視床下部が司っている自律神経の調整機能にも影響して不調を引き起こすことにつながるのです。また、エストロゲンの低下によって、神経伝達物質のセロトニンの分泌量も不足した状態に。海馬や扁桃体の処理速度が落ちて物忘れが起こるなど、脳の活動が低下します。


脳の使いすぎで機能が低下する脳過労
脳過労は、脳を使いすぎることで起こる機能低下の状態です。仕事で複数のタスクを同時進行したり、家でテレビを見ながらスマホを操作したり、常にマルチタスクを行っている場合は要注意。脳はマルチタスクが苦手なので、ストレスが溜まってしまいます。

情報の整理に働く前頭前野は、脳の中でも疲れやすい部分です。思考や意思決定、記憶のコントロールを司るため、脳過労になるとミスが増えて仕事にも影響します。


次のセルフチェック項目のうち、3つ以上当てはまると脳過労の可能性があるので注意しましょう。

・いつもスマホを操作している
・常に忙しくしている
・物忘れが増えてきた
・あまりよく眠れない
・仕事や家事の段取りが悪くなった
・単純なミスが増えた
・意欲や興味がわいてこない
・イライラして怒りやすくなった

マルチタスクで疲れた脳を休める6つの方法

脳過労を防ぐために、疲れた脳を休ませる方法をご紹介します。


1.マルチタスクをやめて1つのことに集中する
同時進行をやめて1つずつ完了させることで脳の疲労を軽減できます。メールを見ない時間を作る、難しいタスクに取り組む時は電話を取り次がないようにするなど、できるだけ次の作業を考えずに集中しましょう。


2.瞑想(めいそう)で脳をリフレッシュする
マルチタスクで疲れた脳をリフレッシュするには、瞑想がおすすめです。姿勢を正して座り、目を閉じてゆっくり鼻呼吸しましょう。視覚からの情報を遮断し、呼吸に集中することで脳が休まります。


3.アロマの香りでリラックスモードにする
香りを利用するのも、脳の疲れを取るのにおすすめです。香りが脳に働きかけて休息モードに切り替わります。ペパーミントやバジル、ラベンダーの香りは脳の疲れに効果的です。自分にとって心地いい香りを見つけましょう。


4.ボーッとすることで脳の疲れを取る
マルチタスクを行わず次のことを考えない状態を作ることも、脳の疲労回復に効果的です。川のせせらぎや木々のざわめきなど、自然なノイズを聞いてリラックした状態に導きましょう。


5.良質な睡眠で脳の疲労を回復する
脳の疲労回復には、睡眠が大切です。良質な睡眠を取るために、適度に体を動かすこと、湯船で体を温めること、寝る3時間前までに食事を済ませることを意識しましょう。


6.脳の負担を軽減する生活習慣を取り入れる
生活習慣も脳の過労に影響します。スマホを長時間使い続けないためには、通知をオフにしたりベッドに持ち込まないようにしたりルールを作るのがおすすめです。また、ながら作業は脳の負担になるので、1つのことに集中するよう意識してみましょう。

マルチタスクで疲れた脳をしっかり休めよう

大人の女性は、仕事や家事、育児など、日常的にマルチタスクをこなしているため脳が疲れやすい状態です。更年期の影響でホルモンバランスが崩れ脳の活動が低下しやすい時期でもあります。

脳過労にならないためにも、なるべくマルチタスクを避けてしっかり脳を休ませてあげましょう。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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