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天皇誕生日とは古くから祝われている祝日!由来や日付を知ろう

天皇誕生日とは古くから祝われている祝日!由来や日付を知ろう

LIFE STYLE

天皇誕生日とは、天皇が生まれた日のことですが、現在の天皇に限らず国民の祝日と深いかかわりがあるのです。今回は天皇誕生日の意味をはじめ、明治以降の天皇の誕生日と祝日との関係についてご紹介します。

天皇誕生日とは天皇の誕生日を祝う日

天皇誕生日とはどのような祝日なのかをご紹介します。


天皇誕生日は法律で定められた祝日
天皇誕生日は「国民の祝日に関する法律」により定められた祝日の1つです。令和の天皇誕生日は2月23日です。

祝日の中には、成人の日(1月の第2月曜日)や海の日(7月の第3月曜日)のように月曜日を祝日とするものもあります。しかし天皇誕生日は天皇の誕生日なので、ハッピーマンデーの考え方は当てはまりません。天皇誕生日は、元日や憲法記念日(5月3日)のように日づけが変わらない祝日です。


今上天皇が代わると天皇誕生日が変わる
天皇誕生日は月日が決まった祝日ですが、天皇誕生日は天皇ごとに異なります。江戸時代までは縁起を担ぐために改元することもありましたが、明治から一世一元となりました。

1人の天皇と1つの元号が対応しているため、基本的には天皇の即位と崩御(ほうぎょ:天皇が亡くなること)で天皇誕生日の日程が変わります。


天皇誕生日に行われる行事
天皇誕生日には皇居が一般に開かれて、一般参賀が行われます。通常は午前に天皇皇后両陛下などがお出ましになり、午後には記帳が行われます。

宮中でも天皇の誕生日を祝う行事として祝賀の儀・宴会の儀・茶会の儀などが行われます。皇族をはじめ内閣総理大臣、政治家、諸外国の要人などが招かれるのです。

天皇誕生日は天長節が由来

そもそも、なぜ天皇の誕生日が祝われているのでしょうか。天皇の誕生日は「天長節(てんちょうせつ)」と呼ばれ、奈良時代の第49代天皇にあたる光仁天皇の時代にも祝われていた記録があります。昭和になると、天長節は明治天皇の誕生日として親しまれていましたが、日本が戦後にGHQの支配に入った際に祝日ではなくなったのです。

また戦前には、4月3日に神武天皇祭という祝日がありました。神武天皇は日本の初代天皇として国を治めていました。このように、天皇の誕生日は古くから慶事として親しみをもって祝われてきた歴史があります。

天皇誕生日と祝日との関係を知ろう

天皇は国事行為を行うなど、国民の幸せを祈る存在。現代でも天皇の誕生日は今でも祝日として親しまれています。それぞれの時代の天皇誕生日について見ていきましょう。


明治の天皇誕生日は11月3日
日本の第122代天皇である明治天皇の誕生日は11月3日で、昭和の初期までは明治天皇の遺徳(いとく:後世に残る人徳)や明治時代をしのぶ「明治節」という祝日として親しまれていました。

しかし戦後の1946年には「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨で文化の日に改められました。11月3日は日本国憲法が公布されたことを記念して制定された祝日です。


大正の天皇誕生日は8月31日
大正天皇の誕生日は8月31日です。しかし7月30日に明治天皇が崩御した日に近いことなどを理由に、天皇誕生日としては祝われませんでした。

一方1927~1947年の20年については、大正天皇の崩御日である12月25日が「大正天皇祭」として祝日になっていました。現在は宮内庁の行事として大正天皇例祭が行われています。


昭和の天皇誕生日は4月29日
昭和天皇の誕生日は4月29日で、崩御後はみどりの日になりました。昭和天皇は生物学者でもあり、生物や植物に深い知識があるなど自然に親しまれていた様子から命名されたといわれています。

2007年からは、祝日法の改正に伴い4月29日のみどりの日は昭和の日と名称が変わり、国民の祝日になっています。一方みどりの日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」として、5月4日の祝日の名称になっています。


平成の天皇誕生日は12月23日
平成の天皇誕生日は12月23日でしたが、他の時代の天皇と同様に国民の祝日にはなっていません。また、2021年時点で上皇陛下について「平成天皇」という呼び方はしません。80歳を超えるほど長いあいだ日本の天皇だったにもかかわらず祝日になっていないのは何故でしょうか。

実は、「~天皇」という呼び方は「諡:おくりな」で、天皇が崩御したあとに決まる表現。存命中の天皇を「~天皇」と表すことはありません。

平成から令和への元号が変わったきっかけは、上皇陛下の崩御ではなく退位だったため今は「平成天皇」と呼びません。少なくとも上皇陛下がお元気なうちは誕生日を祝日とするかの議論は行われない見込みです。

とはいえ、上皇陛下は歴代の天皇の中で最高齢。今後は上皇陛下の誕生日を祝日にするかについて議論される余地が大いにあるのです。


令和の天皇誕生日は2月23日
平成から令和になった場合は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」という法律で、2019年5月1日から元号が令和になりました。

令和の天皇誕生日は2月23日ですが、5月に元号が変わった時点では天皇誕生日が過ぎてしまっています。つまり平成元年は天皇誕生日がない年だったのです。令和最初の天皇誕生日は令和2年を迎えた2020年2月23日になりました。

ただし、2020年2月23日は日曜日だったため、翌日の2月24日が振替で祝日になったのです。2月22日から24日までを3連休として過ごした人も多くみられました。

天皇誕生日とは時代とともに変わる祝日

天皇誕生日とは時代とともに変わる祝日

天皇誕生日は天皇が生まれたことを祝う祝日です。明治以後の天皇の誕生日は現在でも名前を変えた祝日として親しまれているのです。天皇誕生日には国の歴史や歴代の天皇について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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