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昭和の日とはどんな日?制定の背景やおすすめの過ごし方を解説

昭和の日とはどんな日?制定の背景やおすすめの過ごし方を解説

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昭和の日は、ゴールデンウィークのはじめにある祝日です。昭和の日と聞いても「何となく昔」というイメージで、どんな意味があるのか分からないのではないでしょうか。この記事では、昭和の日の狙いや4月29日がどのような日なのかを、おすすめの過ごし方とあわせてご紹介します。

昭和の日は毎年4月29日に定められた国民の祝日

まず昭和の日とはどんな日かをご紹介します。


昭和の日は昭和天皇の誕生日
昭和の日は国民の祝日のひとつで「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という趣旨の祝日です。昭和の日が、もともと昭和天皇の誕生日だったことを知っている方も多いでしょう。

昭和は64年間続いたため、明治時代以降の近代では最も長い時代です。また、昭和時代には第二次世界大戦があり、その後日本は大きく変わりました。

天皇についてみると、今まで天皇は日本の「君主」だったのに対し戦後は「国民の象徴」となりました。昭和は、日本が戦後から復興する激動の時代だったと言えます。


明治の日や大正の日はない
近代の天皇誕生日はなんらかの形で祝われる傾向があります。しかし、明治の日や大正の日という祝日はありません。

大正の日にあたる祝日がないのは、大正時代が15年間と比較的短い時代だったためと考えられています。一方、明治天皇の誕生日は「文化の日」として親しまれています。


4月29日は名称を変えて祝われてきた

昭和の日はかつて「みどりの日」という祝日だったことを知っている人も多いでしょう。実は、4月29日はさまざまな名称で昔から祝われてきたのです。ここでは近年における4月29日の意味と目的をご紹介します。


1927〜1947年:天長節
天皇の誕生日は「天地が永久であるのと同様に天皇が治める世も長く続くように」という意味から「天長節」といわれていました。もともとは中国が起源で、国内では奈良時代の775(宝亀6)年に光仁天皇の詔勅(しょうちょく)により始まりました。

天長節はしばらく行われない時期がありましたが、1968(明治元)年に再び祝われるように。当日宮中では祭儀と宴会が行われたのです。

なお、天長節は天皇の誕生日なので、その時代の天皇誕生日ごとに異なります。


・明治時代(1868〜1912年)の天長節:11月3日
・大正時代(1912〜1926年)の天長節:8月31日
・昭和時代(1926~1947年)の天長節:4月29日


1948〜1988年:天皇誕生日
昭和天皇の誕生日はしばらく天長節として祝われてきましたが、第二次世界大戦後の1948(昭和23)年に「国民の祝日に関する法律(祝日法)」が制定されます。このとき、明治節は「天皇誕生日」と改称されることになりました。


1989〜2006年:みどりの日
昭和天皇が1989年に崩御すると、祝日法が改正され天皇誕生日は「みどりの日」になりました。みどりの日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日とされています。

昭和時代の天皇誕生日がみどりの日となった背景には、昭和天皇が生物学の研究者であり、生物や植物などの自然に深く親しまれていたためです。

ただし、2007年以降みどりの日は5月4日に変更されました。これはゴールデンウィークの飛び石連休を解消し、休みがとりやすくなるように配慮されたものです。


2007年~:昭和の日
みどりの日が4月29日から5月4日へ変更になったからと言って、昭和天皇の誕生日が忘れられているわけではありません。4月29日は昭和時代の天長節にあたるため、2007年の祝日法改正により昭和の日として親しまれています。

昭和の日のおすすめの過ごし方

昭和の日はゴールデンウィークにかかっていることもあり、時間を有意義に使った活動に取り組みやすい時期。ここでは、昭和の日におすすめの過ごし方をご紹介します。


散策に出かける
昭和の日は「自然の恩恵に感謝する」日なので、公園やアウトドアなどを楽しんでみてはいかがでしょうか。昭和の日の頃の気温は最高気温が20℃を超えることも珍しくないため、日中はカーディガンなど薄手の衣類で出かけられます。

ハイキングで森の恵みを体感するほか、思い切ってラフティングやホーストレッキング、ケイビング、バンジージャンプなど、普段あまり経験しないアクティビティを楽しんだりするのも一案です。


昔遊びを楽しむ
祝日法によると、昭和の日は「昭和の時代を顧み、将来に思いをいたす」日とされています。子どもとの遊びを楽しむ場合には、昔から行われていた手遊びや道具遊びなどを取り入れてみましょう。


・手遊び:はないちもんめ、おせんべやけたかな など
・道具遊び:お手玉、おはじき、けん玉 など


ジンギスカンを食べる
昭和の日でもある4月29日は、「429=羊肉(ようにく)」という語呂合わせから「羊肉の日」でもあります。これは、北海道のジンギスカン食普及拡大促進協議会が2004年に制定した記念日です。

羊肉は独特の香りで食欲を刺激するだけでなく鉄や亜鉛が多く含まれるほか、脂質の代謝を助けるビタミンB群が多く含まれています。また、羊肉は比較的脂肪が少なくヘルシーで、脂肪を燃焼させる働き持つL-カルニチンが鶏肉の10倍ある点も魅力です。

昭和の日は激動の時代に思いを馳せてみよう

昭和の日は昭和天皇の誕生日で、時代に応じて名称を変えてきました。ゴールデンウィークは連休を楽しむだけでなく、昭和の時代に思いをめぐらせてみてはいかがでしょうか。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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