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プロ達がトレンドを大予想! || 2021年春夏は何を買う?【前編】

プロ達がトレンドを大予想! 2021年春夏は何を買う?【前編】

メンズコーデの正解

まだまだ寒い日が続いていますが、ファッション業界は早くも春夏ムード。セールの終盤と共に、そろそろ店頭にも新作が並び始めます。今年は何がトレンドなのか? どんなアイテムに注目が? そのヒントを探しに、三陽商会が展開する人気ブランドの春夏プレス展示会にディレクター・大崎とスタイリスト・高塩が潜入。気になったアイテムをチェックしつつ、今春夏の注目ポイントを探ってみました。本特集は前編と後編の2部構成。今回はサステナブルの急先鋒である「ECOALF(エコアルフ)」、毎シーズントレンド性の高い「LOVELESS(ラブレス)」、日本の紳士靴技術の継承者である「三陽山長」の3ブランドをお届けします。

【ECOALF(エコアルフ】

2009年にスタートし、昨年日本に本格上陸したヨーロッパ発のトータルブランド。Because there is no planet B(第2の地球はないのだから)のコアメッセージを掲げ、100%循環型ブランドを目指すいわゆるサステナブルな取り組みが見どころです。リサイクル素材を活用し自社でオリジナルの生地を開発するといったエコな仕様と、高いデザイン性の両立が評判です。

高塩「ん? なんだかデザインがスタイリッシュになった気がします」
大崎「確かに、これまでよりもアーバンな雰囲気が増した気がする。最近アーバンアウトドアが人気だけど、まさにドンピシャだね」
高塩「サステナブルは、いまやファッション業界において命題ですが、ココはまさにその最前線ですよね」
大崎「環境負荷の低い素材を採用しているだけじゃなく、自社でリサイクル素材を使った生地を開発しているからね。なんでも、ココが使っているリサイクルコットンは集めた古着や素材の切れ端をわざわざ色別に分別して、再生しているらしいよ。そうすると再生した時に無駄に染料を使わず、元の素材の色をそのまま使えるからなんだって」
高塩「徹底してますね。それでいて防水性がしっかりしていたり、差し色を効かせたりと、機能性とファッション性も高いとなれば、買わない理由はないですね」

大崎「気になったのがTシャツ。リサイクルコットンを使っているんだけど、プリントがすごくイイ。このフォトプリントなんて、実にアートだよね」
高塩「エコ意識の高いアイテムって、どうしても味気なくなりがち。こんなTシャツだったら、エコに興味がない人でも着てもらえると思います」

高塩「僕はトートバッグが気になりました。スローガンのプリントが、シンプルだけど今っぽい。マチが広いから、子どもグッズも沢山入れられそう。ストラップで巻けば小さくなりますし」
大崎「これまでエコな視点でばかりこのブランドを見てきたけど、今季からデザイン面に、もっと注目していきたいね」

【LOVELESS(ラブレス)】

国内外の高感度なブランドを揃えるセレクトショップが提案するオリジナル。先鋭的なブランドも積極的にセレクトすることで知られるショップとあって、そのオリジナルも実にトレンド性の高いデザインが豊富。素材や色柄、シルエットなど、他と一線を画したエッジの効かせ方が秀逸で、トレンドの半歩先をゆく提案は、幅広い年齢層から支持を集めています。

高塩「いやぁ、さすが攻めた色柄を投入していますね。テンション上がります」
大崎「2020年の春夏から新たなアイコンとして登場したラブスカル然り、ここのデザインはいつもチャレンジングだよね」
高塩「とはいえ、今シーズンはリラックスだったりコンフォートだったり、いつものモード感に着回しやすさを組み合わせた提案みたいですよ」
大崎「セットアップの提案が多いのはそのためか。コーデしやすいからね。このマーブルデニムの上下なんて、ワンマイルやドライブにイイ! それでいて色柄が攻めてるから、部屋着っぽくならない。コレが、モード感を求めながらも、あくまで着回しやすいってコトね」

高塩「このステンカラーコートとパンツのセットアップもいいですよ。一枚仕立てだからすごく軽い! ベース色はシックだけど、襟で色を差しているのがラブレスらしいなぁ。コートって、それだけでコーデがまとまるのも魅力ですよね」
大崎「そうだね。これだけ薄くて軽いと、腕まくりしても着られそう。楽ちんだけど見た目に軽すぎないのも見どころかな。程よく光沢があって、ヌケ感が効きすぎない。今季、全体的にちょっと大人っぽくなってる気がするね」

高塩「この下に合わせるなら、ダンボールニットのクルーネックがいいですね。コレ、無茶苦茶軽いです。シルエットもゆったりなので、なおさら楽ちんです。そんな中にも、プリントがすごくアーティスティックってあたりが、ラブレスの魅力ですよね」

【三陽山長】

2001年に、日本の高級紳士靴技術の継承を志しスタート。日本の熟練職人の技を駆使し、美しくも快適なラストや長年愛用できる上質な革を用いた、品質至上主義な紳士靴を提案しています。「極み」や「匠」などのシリーズは、マニアな紳士靴好きも唸る出来栄え。それでいて、「EX-LINE®」や「YAMACHO MADE™」といったモダンな新レーベルを展開するなど、懐の深さも見せてくれています。

大崎「スーツと同様に、紳士靴も今は苦境だよね。三陽山長も結構厳しいのかな」
高塩「さっき聞いたら、なんでも高価格なモデルが好調らしいですよ」
大崎「えっ! そうなの? そういえば、スーツもオーダーが意外に好調って言ってたな」
高塩「テレワークで着用する機会が減った分、せっかく履くなら良い靴を履きたいってなっているんだと思います」
大崎「三陽山長では今季からハイグレードなプレステージラインが登場するみたいだけど、まさにタイムリーだね」

高塩「個人的には復刻ラインの登場も気になります。立ち上げ当時のラスト202の復活や、またスクエアトゥの提案も新鮮です。そろそろスクエアきそうですしね」
大崎「改めて見ると、確かに今っぽく感じる。それにしても、良い作りだなぁ。プレステージラインなんて、ヨーロッパの名門と比べてもまったく引けを取らないよ」
高塩「それでいて日本人の足型に合うんですからね。なんでも、ビスポークで用いられる意匠を多く盛り込んでいるらしいですよ。より美しい立体感を出すために、木型に革を吊り込んだ状態で置く時間も通常ラインの倍近いみたいです」

大崎「一方で、ラバーソールにはっ水レザーを採用した、実用的な提案も同時に行っているよね。新たに登場するサイドゴアタイプの“防水 誠十郎”は、PVCアッパー製のレインシューズだって」
高塩「えっ! リアルレザーみたいですね! PVC製ってことは、つまり完全防水ってことですよね。実用的で美的にも優れているのか。そういえば三陽山長って、今年で創業20周年でしたね」
大崎「うん、コレはクルね!」

※展示会サンプルにて撮影をしているため、一部商品にデザイン変更や素材変更、カラー変更などがございます。ご了承ください。

編集/西原智美 文/安岡将文 ディレクション/大崎文菊<Roaster>、Pomalo inc.

 

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