
今冬、即戦力となるアウター選びの新基準 後編
スペシャル
2020Nov26
生活様式の変容により、働き方だけでなく ビジネスマンの装いにも多様化の波が及ぶいま。 冬の主役であるアウター選びにも、去年までとは違う視点が必要だ。そこで、各タイプのアウターごとに"いまの視点"による選択基準と推しの逸品を紹介しよう。
チェスターコート - 王道ビジネスアウターも軽やかさが鍵になる -
ビジネスアウターの王道であるチェスターコート。マッキントッシュ ロンドンでは、軽快化が進む現在の時流に合わせてこちらもアップデートを行なっている。ジャケットの代表モデルである「ニューブリッジ」をベースとして、内部の芯地を見直し、軽量化を図ることで、チェスターの品格は保ちつつ、より快適な着心地を実現。ノータイのジャケパンスタイルにもなじむ、新時代の一着が完成した。
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着心地は軽快感を高め、
デザインはクラシック化
肩パッドを用いず、ショルダーラインへナチュ ラルに沿わせた“なで肩”のシルエットが特徴的な「ニューブリッジ」のコート。今季から芯地の変更で軽快さをアップさせた一方で、ラペル幅を広くし、ゴージライン(上襟とラペルの境目)を下げてクラシックなデザインに変更。着心地は軽くても、品格はむしろ高まっている。素材はロロ・ピアーナ社の「ドリームツイード」で、防水・防風機能の「グリーン・ストームシステム®」も採用。
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CHECK POINT
悪天候にも強い 機能性ウール素材
前記事で紹介した「ダンケルド ML」と同様、「グリーン・ストーム システム®」搭載で防水・防風 機能を付与。風雨を防ぎ、防寒性をより高めている。
ローデンクロスコート - 希少な伝統生地によるラグジュアリーなオーラを放つ -
大人のワードローブにおいてカジュアルのシェアが高まるこれからの時代は、より個性の光るアウターを一着持っておくのもいいだろう。今季のマッキントッシュ ロンドンからは、知る人ぞ知る伝統生地「ローデンクロス」で仕立てたコートをおすすめしたい。トラディショナルな風格と、ラグジュアリーさを備えた一着はシンプルにはおるだけで洒脱さが際立つ。
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中欧に伝わる貴重な
伝統素材を贅沢に採用
オーストリアのチロル地方に伝わる「ローデンクロス」を採用したコート。1888年創業の老舗、ローデン・シュタイナー社によるファブリックで、独特の温かみがある風合いが特徴だ。生地を湯に浸けて縮 ませ、繊維の密度を高める縮絨を繰り返し丹念に行うことで、丈夫で着込むほどにやわらかさを増す生地が完成する。それを贅沢に使い、ひざまであるロング丈のステンカラーコートに仕立てることで、存在感満点の一着に。
ダウンコート - 品位と上質さが光る一着なら 休日はもちろん通勤にも活躍 -
本来、カジュアルアウターであるダウンコートだが、ビジネスウエアの多様化を受けて、これからは通勤に活用する機会も増えてくる。しかし、どんなダウンコートでもよいというわけではない。オンにふさわしい品位を備えた上質な一着であることが条件だ。マッキントッシュ ロンドンの「エリントン」はまさにそんな条件を満たすダウンコート。真冬の通勤で強い味方となってくれること確実だ。
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やわらかなウール混の表地で
エレガントなイメージ
ウールとポリウレタンを混紡し、ジャケット生地のようにふんわりと織り上げることで、ダウンコートのスポーティ感を中和し、エレガンスを強調した「エリントン」。表地の表面にははっ水加工が施されており、ウール調の風合いでも水気に強く、汚れにくい。
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カジュアルに合わせても 上品さが漂う印象に
美しいシルエットとウール混のクラシックな素材使いとが あいまって、カジュアルでも一格上の品位が漂う。暖かさは一般的なダウンアウターと同様で、はおるだけで防寒対策は十分。街ではもちろん、旅のシーンでも重宝する。 -
際立つシルエット美でジャケットにもマッチ
ダウンコートの下からジャケットがはみ出さないよう、着丈は長めの設計。ダウンの充填量も、適度なボリュームがありつつ、着膨れしないように計算されているため、すらりとした美しいシルエットが浮かぶ。フードは着脱可能で、外すとステンカラー形に。
マフラーを巻いたモデルのスタイリング
タートルニットを着たモデルのスタイリング
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VARIATION
さらにドレッシーな
ダークネイビーもラインアップ
こちらはダークネイビーの「エリントン」。素材は上と同じウール&ポリウレタンだ。素材やシルエットだけでなく、縫製にもこだわりを尽くした一着で、フロントのボタンホール部分は玉縁仕立てと呼ばれる手間をかけたつくりを採用。ダウンの飛び出しを防ぎつつ、高級感のある見た目を演出している。
FINE KNIT COLLECTION - 紳士のワードローブにマストの上質なニット -
秋冬シーズンに欠かせないニットは、素材のクオリティ次第で大きく着心地に差が生まれるアイテムでもある。上質さを極めたニットに身を包めば、自然と気分が上向くのを感じるはず。マッキントッシュ ロンドンの最新作から、選りすぐりのニットコレクションを紹介する。
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上質なウール100%ながら
手洗いが可能なイージーケア
羊毛の名産地として知られるオーストラリアのファインウールを使用し、やわらかで温かみのある肌触りに仕上げたケーブル編みのクルーネックニット。上質な素材の風合いを損なわない防縮加工を施し、ウール100%でありながら、家庭洗濯ができるイージーケアも実現した。清潔さへのニーズがかつてないほどに高まるいまだからこそ、うれしい機能だ。英国伝統のケーブル編みだが、編み柄を大小交互に配することでモダンにアレンジ。首の開き具合も広すぎず狭すぎずのバランスを突き詰め、中に着るのはシャツでもTシャツでも美しく収まるように設計されている。
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上品な光沢と保温性を誇る
絶品のアルパカシリーズ
今季、マッキントッシュ ロンドンのコレクションで目を引くのが、素材にアルパカを100%使用したニットだ。格別のなめらかさと光沢があり、中心が空洞になって空気をたくさん含むため、とても保温性が高い。アルパカは古くから珍重される希少素材だが、中でもこちらはハイクオリティな繊維を厳選して用いている。