三陽商会のファッションウェブマガジン

靴好きなら知ってて当然!? ||男の嗜みプレメンテとは?

靴好きなら知ってて当然!? 男の嗜みプレメンテとは?

ブランドピックアップ

スニーカー人気衰えぬ中ですが、一方で革靴に回帰している人も増えているよう。久々に新調した革靴を手に取ると、やっぱり革靴ってイイなって思いますよね。でも、そのまま履くのはダメですよ!

履く前にプレメンテ。このひと手間が長く愛用するためのコツ

革靴の楽しみといえば、やっぱり経年変化でしょう。イイ感じの顔つきに育てるために、皆さん日々メンテナンスに励んでいることでしょう。でも、何事もスタートが肝心。味のある一足に育てるには、履く前のプレメンテこそ大事なんです。


革靴は、完成してからすぐに店頭に並ぶわけではありません。ストック状況によっては、何ヶ月も箱に入った状態で保管されることもザラです。実はその間に、完成時に含まれていた革の油分などが乾燥を進めてしまう上、塗り込まれていたクリームなども劣化してしまうんです。その状態で履き始めてしまうことが良くないのは自明の理。だから、履く前にしっかりプレメンテナンスをしましょうってことです。


今回はその手順とコツを、三陽山長アシスタントマネージャーの濱田さんに教えて頂きました。せっかく買った革靴を長く愛用するために、このひと手間を惜しまぬよう、むしろ楽しんじゃいましょう。

一生モノな1足だからこそ、最初の手抜きは厳禁

今回プレメンテを行うのは、三陽山長のフラッグシップモデルである、ストレートチップの友二郎。まさしく正統派といった顔つきの中、スワンネックが優雅さを演出してくれる、マスターピースと呼ぶにふさわしいモデルです。

  • (1)シューレースホールやシュータンも隈なくプレメンテできるように、シューレースは外しておきます。シューレースの上からクリームなどを塗ってしまうと、埃などが吸着しやすくなってしまいます。

  • (2)新品とあってまだ履きジワはありませんが、クリームなどを塗りこむ際に形を潰してしまわないよう、シューツリーを入れます。メンテ以外でも、履かない時は保形のために入れておきましょう。

  • (3)プレメンテに限らず、普段のメンテにおいても基本中の基本であるブラッシング。革にダメージを与えないよう柔らかな馬毛ブラシを使用し、全体に付着した汚れや、ホコリが溜まりやすいコバ周りを入念にブラッシングしましょう。

  • (4)完成時にクリームがあらかじめ塗り込まれていますが、保管時に劣化している場合が。その古いクリームを除去するため、クリーナーでスッピン状態にしましょう。三陽山長で展開するプレミアムクリーナーはスクワランオイルを配合しているので、汚れを落としつつ油分を与えられます。

  • (5)布にクリーナーを少量取り、優しくなでるように全体を拭きあげます。拭き上がったら乾拭きをして、余分なクリームをしっかりと除去しましょう。

  • (6)クリーナーでスッピンに戻った革に、クリームを塗り込んでいきます。本来の色と同じ色のクリームを用意する必要がありますが、三陽山長ではオリジナルのプレミアムクリームを揃えているので安心です。

  • (7)筆のように細かな部分にまで丁寧に塗り込める、ペネトレイトブラシがオススメ。ムラにならないよう、全体に優しく塗り込みましょう。ちなみに、三陽山長オリジナルのプレミアムクリームには、革をモチモチにしてくれるヒアルロン酸が含まれています。

  • (8)クリームを塗り終わったら、5分程度置いて革にしっかりと浸透させます。その後、硬めな豚毛のブラシを使い、全体にクリームを浸透させるようにブラッシングを。

  • (9)最後はクロスなどで余分なクリームの拭き取りを。磨き上げるように全体を拭き取ることで、革本来の自然な光沢が生まれます。

  • (10)トゥやヒールに光沢を出したい場合は、ワックスで鏡面仕上げを。三陽山長のオリジナルワックスにはシアバターが入っており、保湿効果をより高めます。

  • (11)布にワックスを少量取ったら、トゥに塗っていきます。一度に多量のワックスを塗るのではなく、薄い層を作るように少量を何度も塗り重ねるのがコツです。

  • (12)ワックスを塗り終えたら、指先に一粒付く程度の少量の水を垂らし、円を描くように磨きます。革の表面の凹凸を均一に埋めていくことで光の反射が生まれ、光沢がでてきます。

ワックスによる鏡面仕上げは見た目に美しいだけでなく、傷みが生じやすいトゥの保護効果もあるので、三陽山長では推奨しています。

  • 三陽山長 アシスタントマネージャー 濱田 甫さん

    三陽山長の魅力を伝えるべく、様々なイベントに出演する名物スタッフ。若手ながら紳士靴への愛はベテラン級で、まさしく日本の紳士靴業界を背負って立つ存在。

この記事の関連商品はこちら

撮影/島津明(W) スタイリング/高塩崇宏 ヘア&メイク/向後信行<JANEiRO> モデル/KENJI<BARK in STYLe> 編集/西原智美 文/安岡将文 ディレクション/大崎文菊<Roaster>、Pomalo inc.

 

PAGE TOP