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業界人でも意外と知らない!? ||「ゴアテックス」の種類と機能

業界人でも意外と知らない!? 「ゴアテックス」の種類と機能

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いまやビジネスウェアにおいても、最新の機能素材が用いられる時代。その先駆け的な素材といえば、やっぱりゴアテックスでしょう。同素材の採用は、いわば信頼の証。でも・・・ゴアテックスがなんたるかを、ちゃんと知ってます?

ゴアテックス=着用シーンに応じて様々な機能の種類があります

アウトドアウェアで主に使われる機能素材には様々な種類がありますが、一般的に最も耳にする頻度が高く、さらに実用性が高いのが防水透湿素材です。これは、水をウェア内に通さないながらも、ウェア内の湿気は外に逃がすというもの。アウトドアシーンではもちろん、高温多湿な日本においては、特に梅雨シーズンで頼りになる素材です。


防水透湿素材を開発したメーカーは現在いくつかありますが、その元祖と言えるのがゴアテックスでしょう。一般的にゴアテックスとだけ呼ばれることが多いですが、正確にはゴアテックス ファブリクスで、さらに素材としての名前はゴアテックス メンブレンとなります。


1958年にアメリカで創業したゴア社が開発したもので、フッ素樹脂の合成ポリマーを薄く伸ばしたものをベースに様々な化学処理を行った多孔質の膜のことをゴアテックス メンブレンと呼び、その膜を様々な表生地と張り合わせたモノをゴアテックス ファブリクスと呼ぶのです。


そのゴアテックス ファブリクスには、いくつか種類があります。スタンダードなゴアテックス、本格スペックのゴアテックス プロ、軽量なゴアテックス アクティブなど。

どれも優れた防水透湿性を備えているのですが、2018年に必ずしも防水性に縛られない新素材としてゴアテックス インフィニアムが登場しました。これは、防風と透湿性を主題とした素材で、ハイパフォーマンスというより快適性を追求したスペックとなっています。とはいえ、同素材に防水性がないわけではなく、また表生地の性能によっては高い防水性を実現しているものもあります。


この辺りで混乱される方も多いでしょうが、ざっくばらんに言うとアウトドアでちゃんと使えるゴアテックスが欲しいならゴアテックス、ゴアテックス プロ、ゴアテックス アクティブを、デイリーで気軽な快適性を求めるならゴアテックス インフィニアムといったところ。


今回は、ゴアテックス インフィニアムを採用した「THE SCOTCH HOUSE(ザ・スコッチハウス)」のアウターをご紹介。梅雨シーズンに限らず、これから暖かくなるにつれ、特に電車内などでは意外に汗をかいているもの。日常を快適に過ごしたいなら、是非とも注目されたし。

オンオフ共に、リアルに活躍するコートの好例

  • 01

    2レイヤーで仕立てたゴアテックス インフィニアムを採用する、スプリングコートのフォールデン。はっ水加工と中わた入りライナーによって、三寒四温で春雨降る春シーズンに最適なスペックに仕上げています。スプリットラグランにより、カジュアルにもジャケットにもなじむ着心地に。あくまでスリムに見える適度にゆとりあるシルエットも、より快適さを約束します。

  • 着脱を可能にした中わた入りライナーにより、3シーズンでの活躍を可能に。外すとメッシュライニングが現れ、カットソーの上から羽織った際にサラリと快適な肌触りに。

クラシック顔に現代的な快適性をプラス

  • 02

    1990年代の英国で展開していたバイカージャケットの名作ハムデンを、2レイヤーのゴアテックス インフィニアムの採用により快適な着心地にアップデート。ベンチレーションの役割を果たす大型の胸ポケットや裏地のメッシュも、これからのシーズンで重宝するポイントになっています。

  • こちらはカラバリ。春らしいさわやかな色が揃います。右袖先には、ICカードを収納するポケットが。着心地だけでなく、実用性も現代にアップデートされています。

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撮影/島本一男<BAARL> スタイリング/高塩崇宏 編集/西原智美 文/安岡将文 ディレクション/大崎文菊<Roaster>、Pomalo inc.

 

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