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【スタイリスト高塩の店舗探訪 Part4】自分にピッタリな一生モノの革靴を探す!

【スタイリスト高塩の店舗探訪 Part4】自分にピッタリな一生モノの革靴を探す!

着こなし解決ラボ

全国店舗行脚中のスタイリスト高塩崇宏さんと撮影スタッフの茶々から始まる本企画。ですが、今回は何やら様子が違う。「ここに来たかった!」と歓喜する高塩さんが訪れたのは、「三陽山長」ミッドランドスクエア店です。自身も愛用するブランドだけに、気合十分。気づけば買い物を楽しみ始めた高塩さんに、無茶振り役のライター細谷まで乗せられちゃいました(笑)。

  • スタイリスト 高塩 崇宏

    栃木県生まれ。2009年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストのスタイリングも手がけ、マルチに活躍するスタイリスト。ヤング誌から大人向けのメディア、アウトドアやゴルフも手がけており、ジャンルも多岐に。

  • 三陽山長 池田 浩輔

    三陽山長
    ミッドランドスクエア店 店長
    163cm
    本社でも高い信頼を得ている勤続15年の大ベテラン。柔和な接客で安心感も抜群。以前は同社のポール・スチュアートにいたとあって、スーツスタイルにも定評が。特技は、目を隠し手触りだけでどのモデルかわかる“利き山長”。ご来店の際に披露してもらってみては。

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  • 三陽山長 半田 将也

    三陽山長
    ミッドランドスクエア店 スタッフ
    166cm
    勤務1年未満とは思えないほどの知識量と愛が感じられるフレッシュなスタッフ。靴好きなお客様とのシューズトークが好きで、しばしば盛り上がっているそうな。オシャレが好きなので、各モデルに合わせたコーディネートを教えてもらえるかも。

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  • ライター 細谷 駿人

    埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。スナップ企画でいつも無茶振りをして高塩さんを困らせるのはこの人です。

男心をくすぐり物欲を刺激! 靴好きならずともハマっちゃいます!

――高塩さん鼻息荒くないですか?(笑)

高塩:この企画を始めてからずっと来たかったんだよね、三陽山長には。ある意味の恐怖はあるけど(笑)。


――恐怖ですか?

高塩:沼に入りそうで。既に片足突っ込んでるんだけどね(笑)。


――男心をくすぐりますからね。

高塩:そうなんだよね! だから今日は嬉しいけど、理性キープしないと。……ってお店入った瞬間から心折れそう。


――革靴が一面に並んでる内装でもう心奪われちゃいますね。池田店長、半田さん、今日はよろしくお願いします! 取材なんですが、今日は買い物が始まりそうです。

池田:いや、むしろ嬉しいです! 今日はよろしくお願いします。

半田:よろしくお願いします。


――高塩さんは靴選びで気にかけているポイントってあります?

高塩:デザインはもちろんだけど、革靴はブランドによって形が全然違うから足のフィット感は気にするかな。どんなにカッコ良くても、足に合わないと痛くて履いてられなくなっちゃうから。そういう意味でも、山長はいいんだよね。日本人の足型に合わせているから。

池田:そうですね。何度も通ってくださる方は、「これが欲しい」という目的があってご来店くださいますが、新規のお客様には漠然としている方が多く、コミュニケーションを取りながら提案していくことがほとんどですね。

高塩:僕も一足持っているんですけどブーツなので、今日は王道のドレスシューズを見たいなと思っていて。

池田:では、さっそく見ていきましょう。

靴の綺麗な履き方、快適なサイズ選びまでじっくり吟味

高塩:気になっているのはやっぱり「友二郎」ですね。

池田:「友二郎」だけを買い続けている方もいるくらい、三陽山長のマスターピースですね。

高塩:人気なのもリピートしたくなるのもわかります。端正なんだけど艶っぽさはしっかり残していて。本来ビジネス感の強いストレートチップなのに、これなら少しカジュアルなジャケパンにも合いますね。今履いているのは、サイドゴアブーツの「誠十郎」だったかな。

池田:そうですね。「友二郎」に比べるとよりカジュアル向きな一足です。それぞれのモデルで防水モデルやハイエンドモデルなど、様々あるのでじっくり選んでいただければ。

高塩:この「極」や「匠」は別格ですね。この二つは具体的にどこが違うんですか?

池田:細かい部分を言ってしまうと長くなるのですが、見た目だけで言えばトゥのステッチやライニングのカラー、ソールの作りが変わっています。

高塩:確かに! 「極」のキャップ部分は折り込まれていて、少し立体感がある感じがしますね。コバも「匠」はフラットだけど、「極」はエッジが立っている形状。自分のスタイリングや体型を考えると、少し重厚な「匠」の方が気分かな。

池田:では、モデルは「匠」で、今度はサイズを見ていきましょうか。

高塩:日本人のベーシックはどんな形なんですか?

池田:欧米の方に比べて幅が広く、甲が高い方が一般的な足の形ですね。高塩さんはベーシックに近い形だと思います。靴のサイズを考えるときは座った時ではなく、立った時のサイズが重要になってきます。

高塩:座った時より、立った時の方が横の幅が少し広がりましたね。

池田:体重がかかることで少し広がるので、横幅を合わせつつ、縦の位置を微調整する方がいいです。また、左右で足のサイズも異なるので両方測りつつ、まずは小さい方の足に合わせて試着していただき、好みやフィット感に合わせて変えていくといいと思います。

高塩:なるほど。最終的には「8 1/2(26.5cm)」で落ち着きましたが、少し小さい足の方に遊びがあるのを感じますね。でもフィット感はいい感じです。

池田:ただ、この状態ではくるぶしが当たってしまうので怪我をしてしまいます。踵を少し上げるインナーソールを入れた方がいいです。

高塩:それめちゃくちゃ大事です。普段から革靴を履くときは僕も入れるようにしていて。むしろ入れないと痛すぎて、靴を投げ捨てたくなります(笑)。

池田:ははは。今入れたのですがどうですか?

高塩:履き口に当たらなくなって不快感がなくなりました。しかも少しフィット感が良くなった気がします。

池田:小さい方の足も甲に当たるようになったので、よりフィット感が増して心地いいと思います。シュータンの部分が指一本分開くくらいのサイズ感や締め具合がちょうどいいと言われています。

高塩:一番美しく見えるサイズなんですね。確かに開きすぎると野暮ったいかも。ディテールもそうだけど、サイズ選びとか履き方だけでも本当に奥が深い。これは沼だよ〜(笑)。


――言っていたことが現実になってきましたね。

高塩:せっかくだから細谷くんも見てもらいなよ。そんな靴履いてないでさ(笑)。いい靴持ってないと!


――(以下細谷)え、いいんですか! これは嬉しい。と、その前に、高塩さんセレクトを見せてください!

ミニマルラグジュアリーなマスターピース

  • Masterpiece

    創業から20年以上に渡り根強く愛され続けている「友二郎」。こちらはその上級モデルとして誕生した「匠 友二郎(左)」と、最高級モデルの「極 友二郎(右)」です。上質な牛革を採用し継ぎ目のないシームレスヒールも相まって、ミニマルなデザインが印象的。そこにアイレット横に配したスワンネックステッチがエレガントなアクセントになっています。洗練されたシルエットが、品格をさらに後押しします。

「足元が締まると、それだけで格が上がった気がする」(高塩)

脱ぎ履きしやすく、秋冬シーズンにピッタリなサイドゴアブーツの「誠十郎」から「匠 友二郎」へ。「誠十郎」が男らしさとボリューム感を演出する一方、「匠 友二郎」はより硬派な立ち姿を構築。くるぶしが上がったことで、快適さとともに脚長効果ももたらし上品な印象に。


「こうした使い分けというか、気分次第で足元を変えるだけでもコーディネートが変わりますね。同じパンツなのに、細く見えません?(笑)」(高塩)

ニーズに合わせて選べる幅広いラインナップも魅力

細谷:急きょすみません! 正直、声かけ待ちでした(笑)。

高塩:あんな羨ましそうな目で見られたらね(笑)。普段革靴って履くの?

細谷:全く履かないです…。こういう仕事をしている手前、スーツを着ることもなく歳を取ってしまっていたので。だからこそ、ちょうど欲しいと思っていたんですよ! ただ、スニーカーの楽ちんさも手放し難いんです。

半田:では、ドレススニーカーの「柔八」はいかがでしょう。まさに、細谷さんがおっしゃるようにスニーカーの軽さを持った革靴です。

細谷:なんか通販番組みたいに都合のいい靴がありますね(笑)。めっちゃ軽いじゃないですか! いい意味で裏切られました。しかもシングルモンクでスエード。

半田:本当に見た目はドレスシューズなので、革靴の入門編にも最適です。

細谷:え、これにします。

高塩:早っ!(笑)

半田:ありがとうございます。細谷さんの足型は、一般的に比べて細い形をしていますね。立った時の横幅も高塩さんに比べて広がらないので、サイズをいつもより落としてもいいかもしれません。

細谷:昔やっていたスポーツの影響なのか、足に遊びがないと嫌なタイプなので、いつも靴は大きいサイズを選びがちなんですよね。サイズで言うと9(27cm)から9 1/2(27.5cm)くらいです。

半田:革靴はジャストサイズで履くことをオススメします。履いているうちに馴染み、柔らかく伸びてくるのも理由の一つですが、一番は美しく見えるからです。

細谷:そうなんですね。では「8(26cm)」をトライしてみます! ストラップにゴムが入っているから足入れしやすい。そしてフィット感も抜群ですね。

半田:結構皆さん驚かれます。

高塩:今日の服の雰囲気にはスエードも相性がいいし、グッと大人っぽくなったよ。

細谷:本当ですか! モテますかね?

高塩:スタイルだけならイケる。

細谷:どういう意味ですか(笑)。なんなら、今日履いていたスニーカーより軽いです。クッションも効いていて履き心地もいいですし。本当にびっくりしてます。

高塩:お値段も手頃でちょうどいいね。もうさっきの捨てて履いて帰れば?(笑)

細谷:ひどい! でもそのくらいこれは気に入りました。

重厚な見た目とは裏腹に、クセになる履き心地

  • Dress sneakers

    2022年にリニューアルされたドレススニーカー、通称“ドレスニ”こと「柔八」。シューレースのないシングルモンクをベースに、インソールや履き口にクッションを配するなど機能性はスニーカーそのもの。三陽山長のマスターラストR2010をドレスニ用に改良した「R2021CF」ラストを使用し、程よいゆとりが特徴です。とは言え、カーフレザーやスエードの重厚な質感がドレッシーさを醸し出します。

「段違いの大人っぽさがあって、急にリッチになった気分」(細谷)

  • お見せできないほど履き潰したスニーカーを変え、スマートな印象に。スエードによる深みのあるブラックが、スタイリングの締めにお役立ち。こなれ感ある大人の雰囲気をまといます。より艶っぽさを求めるならカーフレザーがオススメ。


    「とにかく軽い! 革靴離れの時代において、エントリーモデルとしては最適だと思います。3万円代の価格は、若者も含めて嬉しいですね!」(細谷)

高塩:いや〜めっちゃ楽しかった!

細谷:やっぱりこういう細部にこだわった職人業というか、ディテールに凝っているものは男心に刺さりますね。怖いと言っていた意味がよくわかります。

高塩:でしょ。靴と時計は本当に危ない(笑)。気づいたら買ってるもんね。

細谷:いやほんとに。さっき追加でオリジナルで作ってるベルトも買っちゃったし、財布の紐がどんどん緩んでいく(苦笑)。

高塩:もはやここでお酒飲みながら靴談義したい。

池田:初対面のお客様同士なのに、ご来店された時に靴談義で盛り上がっている方はいらっしゃいますよ。私も混ざってしまいますが(笑)。

細谷:確かにいそう。お店の空気感もいいからリラックスできるし、楽しいだろうな〜。そろそろ、いきますか。

高塩:ごめん! あともう一個やりたいことがある!

細谷:もしかしてそれって……。じゃあその様子を後編として公開しちゃいましょう。なんにせよ、少し休憩しましょ。

高塩:よっし! 続きは次の記事にて、ということで。

  • 三陽山長 ミッドランドスクエア店

    住所:愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1 3F
    電話番号:052-561-5315
    営業時間:11:00〜20:00 ※ミッドランドスクエアの営業時間に準ずる

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撮影/舛田豊明 スタイリスト/高塩崇宏 構成&文/細谷駿人 ディレクション/Pomalo inc.

後編はこちらから

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