三陽商会のファッションウェブマガジン

顎関節症はストレッチで緩和できる?痛みの原因と自分でできる対処法

顎関節症はストレッチで緩和できる?痛みの原因と自分でできる対処法

LIFE STYLE

ものを食べているときなどに音がしたり痛みを感じたりする方がいるかもしれません。顎が痛む原因は顎関節症のことも。この記事では顎が痛くなる原因や自己診断の目安、簡単なストレッチ方法について解説します。痛みを放置せず快適に過ごせるようにぜひ参考にしてください。

放置は厳禁!顎関節症は女性に多い

まず顎関節症の概要をご紹介します。


顎関節とは顎周辺の関節
顎(あご)の構造は意外に複雑で、下顎の骨の端部にある「下顎頭(かがくとう)」と頭がい骨側にある「側頭骨(そくとうこつ)」「下顎窩(かがくか)」と2つの骨をクッションのようにつなぐ「関節円板(かんせつえんばん)」関節結節、など複数の組織からなります。
ものを噛む咀嚼(そしゃく)運動には個人差がありますが、普段一定のリズムで下顎が運動します。噛むときのリズムが狂うと、下顎頭や関節円板などに大きな負担がかかるのです。


顎の痛みは比較的女性に多くみられる
自分が顎関節症ではないかと心配している方は、噛み合わせの際にカックンと雑音を感じたことがあるかもしれません。
顎の関節に雑音があると感じるのは20代が最も多く、その後は割合が徐々に減少する傾向があります。また、顎に痛みを感じるのは20代から40代くらいまでの女性に多くみられます。


放置すると悪化してしまうことも
顎関節症になるということは、顎が何かの理由でずれているということ。ずれていれば想定外の場所で歯が当たってしまいます。
もしも強い力には耐えられない場所で歯を食いしばっていれば、歯の思いもよらない場所が欠ける、削れる、ぐらつくなど歯の痛みやトラブルになる可能性も。また、歯や顎を守るように筋肉も疲労していけば、首や肩など全身の不調にもつながりかねません。
もし顎に違和感がある場合には放置しないことがおすすめです。

顎関節症の症状と原因

顎は何故痛くなってしまうのでしょうか?顎関節症の症状や原因について解説します。


顎関節症の症状
顎関節症で不調となる症状には個人差があり、その時々で軽い場合や重い場合などがあります。
以下のような代表的な症状に少なくとも1つ以上当てはまる場合は、顎関節症かもしれません。


・普段や何かを噛む場合に顎関節や周辺に違和感や異常がある
・何かを食べ続けていると顎がだるくなる
・口を動かしたり歯を噛みしめたりすると顎関節が痛い
・口を開け閉めする場合に顎関節でカックンと音がする
・口が開けにくいときがある
・顎が外れることがある


顎関節症の原因
顎関節症の原因は生まれつきの体の問題のほか、外傷やストレスなどさまざま。原因がはっきりわからないことも少なくありません。ここでは、顎関節症の一般的な原因をご紹介します。


・ストレス(うつ、不安、睡眠障害など)
・歯ぎしり
・何かに熱中したり緊張したりして歯を強くくいしばる
・唇や頬の内側をよく噛む
・頬づえ、うつ伏せ寝、猫背など顎に負担がかかりやすい体勢をする
・大きく口を開けたり、固いものを噛んだりして顎を激しく使った
・左右どちらか一方でばかりものを噛む


顎関節症が原因の可能性がある症状
顎関節症は体のさまざまな不調の原因になっていることがあります。以下のような症状がある場合、顎の不調と関連があるかもしれません。


・頭痛、首・肩・背中・腰などの痛み、肩こり
・めまい、耳鳴り、耳がつまった感じ、難聴
・眼の疲れ、充血、涙
・鼻がつまったような違和感


など

【ストレッチ・生活改善】顎関節症を緩和する方法

顎関節症がひどい場合には受診がおすすめですが、顎関節症の予防や一時的な症状の緩和には生活改善やストレッチなどが有効です。


生活習慣の見直し
顎関節症などで顎が痛む場合には、まず顎に負担がかからないように生活の仕方を変えてみましょう。


・ガムやフランスパンのように固い食べ物は避けて、おかゆや柔らかい麺類のようにあまり噛まなくても食べられる食事を選ぶ
・上の歯と下の歯をあまり接触させない
・大きなあくびや長時間の歯科治療など口を大きく開ける動作は控える
・寝る際は低めの枕を使用し、うつぶせではなくあおむけで寝る
・長時間同じ姿勢でいることは避けて、時折ストレッチをする。特に猫背や顎を突き出すような姿勢は控える
・整骨院などで首をけん引したり頬づえをついたりしない


割り箸を活用
割り箸を使って顎と首の位置のずれを調べ、それに合わせて口周辺のエクササイズをすると顎関節症の症状が緩和できます。
まっすぐに座って大きく口を開けて横向きにした割り箸を加える場合、どこが最初に割り箸に当たるかで対応方法が異なります。最初に当たった場所とその対応方法は以下になります。


・右前歯、左前歯 → 横にした割り箸を左右の奥歯で30回噛む
・左右の奥歯 → 横にした割り箸を左右の前歯で挟み30回噛む
・右の歯全体 → 縦にした割り箸を左の歯全体で30回噛む
・左の歯全体 → 縦にした割り箸を右の歯全体で30回噛む


ストレッチやマッサージでほぐす
ストレッチやマッサージは顎付近の血流を促し、顎の緊張を緩和するため顎関節症の予防や症状の緩和に役立ちます。以下の動きを朝晩5分~10分ずつ続けてみましょう。


・咬筋(こうきん)のマッサージ
咬筋は下顎のすぐ上で強く噛み合わせた際に盛り上がる場所。指でくるくると強めにマッサージします。


・側頭筋(そくとうきん)のマッサージ
側頭筋はこめかみ付近の噛み合わせた際に動く場所。指でくるくると強めにマッサージします。


・口のストレッチ
目を上に向けやや斜め上を見ながら口を縦に大きく開ける。口を開けたまま片手で口を横からつまみ、さらに口を大きく開ける。

顎関節症の予防や緩和にはストレッチを取り入れてみよう

顎の痛みや異音は、少し経つと落ち着くこともあるため「たいしたことではない」と放置してしまう場合も多くみられます。しかし顎に不調があると食べたり話したりと生活に大きな影響を与える可能性があります。今回ご紹介した方法で顎の調子が改善しない場合は歯科の受診がおすすめです。自分の体調を見極めて快適に過ごしましょう。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

PAGE TOP