マルチタスクができないお悩みを解決!仕事を進める4つの対処法
LIFE STYLE
2022Feb07
仕事の効率アップにマルチタスクを取り入れたいけれど、うまく進められずに困っていませんか?マルチタスクが求められるケースは増えていますが、誰にでも向いている手法とは限りません。そこで今回は、マルチタスクの基本概要やメリットとともに、仕事が進めやすくなる方法をご紹介します。マルチタスクに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
マルチタスクが求められる背景
どうしてマルチタスクでの仕事が求められるのでしょうか?マルチタスクにはどんなメリットがあるかご紹介します。
そもそもマルチタスクとは?
「マルチタスク」は、もともとコンピューター用語が由来となっている言葉です。2つ以上のプログラムを1台のコンピューターで同時に処理することや、1つのプログラムの待ち時間に別のプログラムを実行することなどを意味しています。
そこから派生したのがビジネスシーンにおける「マルチタスク」です。複数の業務や作業=タスクを同時に進めることを指しています。1つの業務を完了させてから次の作業に着手する「シングルタスク」とは異なる仕事の進め方です。
たとえば、ルーティーンで行う記録作業を保留して、気分を切り替えるためにレポートをまとめるというのがマルチタスクの手法。取引先に送ったメールの返信を待っている合間に会議用の資料をプリントするなど、空いた時間を活用するのもマルチタスクに当てはまります。
マルチタスクのメリット
マルチタスクで仕事を進めると、次のようなメリットがあるとされています。
・効率アップにつながる
資料をプリントしながら電話でやりとりするなど、短時間で2つのタスクを処理できるため無駄な時間がなく効率的です。
・経費削減につながる
マルチタスクのスキルによって1人で多くのタスクを担えるので、人件費の節約につながります。
・生産性アップにつながる
タスクを完了することで達成感が高まるため、短時間で多くのタスクに取り組むモチベーションが上がり生産性につながります。
マルチタスクができない=仕事ができないは間違い
マルチタスクが苦手だと自分は仕事ができないと思ってしまうかもしれませんが、実際のところどうなのでしょうか?
マルチタスクは集中力の低下を招く?
脳科学や心理学の研究結果の中には、マルチタスクによって脳の集中力が低下すると結論づけているケースがあります。
同時に複数のタスクを追求する場合に使われるのは、脳の前頭前皮質前部(APC)です。海外のレポートでは、2つのタスクを処理する状況では、脳の機能が分割されることが確認されています。
同時に取り組むのは2つの目標が限界と考えられることから、3つ以上のタスクを同時に処理できないと示されているのです。脳の仕組みがマルチタスクに向いていないため、同時に複数の業務を行うと脳へのストレスとなり、集中力の低下や物忘れを招くことにつながります。
マルチタスクができない人は多い
本来、人間の脳はマルチタスクに対応するのが難しいため、実はマルチタスクができない人は少なくありません。マルチタスクができないのは、仕事ができないからではなく脳がストレスを受けて疲れてしまっているためといえます。
マルチタスクが日常化すると、ストレスホルモンの「コルチゾール」が分泌されて、脳機能が低下した状態に。記憶を司っている海馬に影響するため、記憶力が低下してうっかりミスが起こりやすくなります。
また、女性は仕事だけでなく育児や家事、介護などマルチタスクに取り組む場面が多くなりがちです。1つのことに集中していると脳はあまり疲れを感じません。しかし、日常的に複数の作業を同時に行っていると大きな負荷がかかるので、脳がとても疲れてしまいます。
マルチタスクができない悩みを解決する4つの方法
仕事でマルチタスクを求められる場合はどうしたらいいのでしょうか?マルチタスクが苦手でもうまく進められる方法をご紹介します。
考え方を変えてシングルタスクに分ける
マルチタスクで仕事を進めると脳の負担となるため、それぞれの作業をシングルタスクと考えるように意識するのがおすすめ。一点集中で仕事を進められるので、マルチタスクができない人に適した方法です。
たくさんのタスクがある場合は、似た業務をまとめることでシングルタスクに近い感覚で進められます。
タスクを順番通りにこなせるようにToDoリストを作る
マルチタスクで脳に負荷がかかると記憶力が低下するので、タスクを覚えて進めるとミスを起こす可能性があります。記憶力に頼らずに、作業の進捗がわかるように記録を残すようするのがポイント。
スマホや手帳に重要なことをメモしたり、ToDoリストなどで作業状況を管理したりするのがおすすめです。順番通りに完了できるよう、カレンダーやリマインダーなども活用しましょう。
時間を決めて自分でコントロールする
複数のタスクを進めるマルチタスクでは、作業時間の配分が重要です。このタスクを30分おこなってから、次のタスクを60分行うといったように、タスクごとに時間配分を設定するとコントロールしやすくなります。
ほかに、作業時間を30分ごとに区切り、シングルタスクのイメージで進める方法もおすすめです。
タスクを整理する時間を設定する
マルチタスクでは、やるべき業務が増えてくると、何から手をつけたらいいか混乱してしまいます。あえて、タスクを整理したり、周囲に相談したりする時間を作るのがおすすめです。優先順位や進捗状況が見えてくると、落ち着いて対応できます。
マルチタスクができない悩みは一点集中で解決しよう
人間の脳は2つまでの作業を処理するのが限界と考えられ、マルチタスクは脳にとって大きな負担となります。もともとマルチタスクに適していないので、自分は仕事ができないと悩む必要はありません。
マルチタスクができずに悩んでいる場合は、シングルタスクと考えて1つずつ集中して処理するのがおすすめです。今回ご紹介した対処法を取り入れてみてください。
編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC