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啓蟄とは蛙が顔を出しはじめる時期 || 過ごし方とおすすめレシピ3選

啓蟄とは蛙が顔を出しはじめる時期 過ごし方とおすすめレシピ3選

LIFE STYLE

啓蟄について、漠然と「虫が出てくる頃」と分かっていても、実際にいつ頃が啓蟄で、どんな風物詩があるかなどは知らないこともあるでしょう。この記事では啓蟄の頃の自然の様子や風物詩、おすすめの過ごし方、旬の食材を活かしたレシピについてご紹介します。

啓蟄とはどんな時期かを解説

啓蟄の頃の様子をご紹介します。


啓蟄とは土の下にいた生き物が活動し始める時期
啓蟄(けいちつ)とは、1年を24の季節に分けた二十四節気で言うと、春の三番目にあたる季節。毎年3月5日頃で、2022年は3月5日、2023年は3月6日です。

啓蟄の「啓」は開放するという意味があり「蟄」とは虫が冬の寒さから身を守るために地中にこもっている様子を表します。

啓蟄の頃の気温は最高気温が平均12~15℃ほど。日を追うごとに気温が上がり、春の暖かな陽気に近づいているのです。生き物の活動が増えるのに加え、新芽が伸びるなど植物の活動も活発になっていきます。

一方、東北から関東にかけてはスギ花粉の飛散量が多く、人によっては花粉症がピークになる時期とも言えます。


啓蟄の頃は花が咲き始め蝶が飛び始める
1年を72の季節に分けた七十二侯でみると、啓蟄の頃には3つの季節があります。七十二侯から、啓蟄の様子を詳しくご紹介します。


・初侯:蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)3月5日~3月9日ごろ
・次侯:桃始笑(ももはじめてさく)3月10日~3月14日ごろ
・末侯:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)3月15日~3月19日ごろ


初候はまさに啓蟄を表した表現。暖かい春の日差しに誘われて、冬眠していた虫たちが目覚め始めます。また、桃のつぼみが膨らみ、花が開き咲きはじめるのです。また、さなぎとして冬の寒さに耐えていた虫も、蝶となり羽ばたき始めます。


啓蟄の頃の風物詩
啓蟄の時期と言えば、以下のような季節の情趣をあらわす事柄があります。


・お水取り
お水取りとは、毎年3月上旬に奈良の東大寺で行われる行事。12日の夜には、練行衆が香水をくみ上げて本尊にお供えします。夜遅くまで、世界の平和や人々の幸せを祈る行が続けられるのです。


・こも巻きの取り外し
こも(菰)巻きとは、日本庭園や公園などに植えてある木にむしろを巻き付けておくこと。こもは冬のあいだ寒さや雪、害虫などから樹木を守っています。しかし啓蟄の頃になると不要になるため、取り外してむしろを処分するのです。


・虫出しの雷
虫出しの雷とは、立春後に初めて鳴る雷のこと。日本では、「初笑い」「初がつお」のように、一年がはじまり最初に起きるできごとや収穫物を「初〇〇」ということがあります。


2月4日ごろに旧暦の新年を迎えたあとは、啓蟄の頃にその年初めての「初雷」が鳴る傾向があります。あたかも「初雷で虫が地面から追い出されてきたようだ」と思えることから生まれた表現です。

啓蟄の頃のおすすめの過ごし方

啓蟄の頃におすすめの過ごし方を見ていきましょう。


季節の花を探す
啓蟄の次侯で「桃が咲き始める」と言われるように、桃のほかスミレやカタバミなど身近な植物の花が咲き始めます。

自然に春が感じられるように、自然のなかを歩き回ってしてみましょう。散歩やウォーキング、ハイキングなどで歩き回れば適度な疲労を感じ、安眠にもつながります。


よもぎ湯に入る
啓蟄の頃はまだ肌寒い日が続くことも。寒暖差で自律神経が乱れやすくなっているため、お風呂でリラックスするのがおすすめです。

草もちの材料としても使われるヨモギは、3月に生える植物。魔除け草とも言われ、抗炎症作用があります。乾燥ヨモギまたは新鮮なヨモギを洗って刻み、約6~9分ゆでて取り出すと煮汁が入浴剤に。疲労回復に役立ちます。


山菜を食べる
苦みには体をデトックスする作用があるとされています。

山菜には独特の苦みがあるものが多く、啓蟄の頃にはフキノトウをはじめゼンマイやワラビ、タラの芽、うどなどの山菜が豊富に収穫可能。旬の食材の苦みを接種して代謝を促しましょう。

啓蟄の時期におすすめのレシピ3選

啓蟄の頃旬を迎える食材は、鰆(サワラ)や細魚(サヨリ)のほか、ぜんまいやわらびなどの山菜、たけのこ、新玉ねぎなど。ここでは啓蟄の旬を味わうレシピをご紹介します。


サワラの蒲焼き
魚にしっかり味のたれが絡み、ごはんによく合います。


1.サワラの切り身を半分に切り、両面に塩コショウをふる
2.1.を袋に入れて全体に片栗粉をまぶす
3.フライパンに多めの油を入れ2.の両面を軽く焦げ目がつくまで焼く
4.3.を皿に取り出しフライパンの油をキッチンペーパーでふき取る
5.たれとして酒100mlに対してしょうゆ、みりん各大さじ3、砂糖大さじ1を混ぜあわせる
6.5.をひと煮立たせてから4.をフライパンに戻しサワラにたれをからめる


山菜おこわ
山菜は水煮の山菜ミックスを使うことも可能です。


1.もち米は事前に3時間以上おいておく
2.山菜をザルにあけて軽く洗い、食べやすい大きさに切る
3.油揚げを半分に切り、細切りにしする
4.2.3.としょうゆ、酒各大さじ3とみりん大さじ2を混ぜ合わせる
5.4.をザルにあけて具と調味汁に分ける
6.炊飯器に1.と5.を加えてから、炊飯器の目盛りにあわせてだし汁を入れる
7.米の上に具材を乗せて炊飯する
8.炊き上がったらざっくりと混ぜる


新玉ねぎのレンジ蒸し
最後にパセリを添えると彩りがよくなります。


1.新玉ねぎは皮をむき、上と下を切り落とす
2.味がしみこみやすいように玉ねぎの下側に米印など数カ所切り込みを入れる
3.皿に玉ねぎとバター10gをのせ、ふんわりとラップをかける
4.500Wの電子レンジで約5分加熱する
5.ラップをはずし、上下を逆にしてしょうゆを適量まわしかける

啓蟄とは春に向かって生物が動き出す時期

啓蟄は寒さに耐える時期が終わり、さまざまな動植物が活動を始める時期です。自然の芽吹きが楽しめる一方、寒暖の差で疲れやすいこともあるため、温かい時期になることを期待しつつ体を労わりましょう。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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