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季語とは?日本の四季を彩る春夏秋冬の季語・時候の挨拶

季語とは?日本の四季を彩る春夏秋冬の季語・時候の挨拶

LIFE STYLE

季語は、日本の春夏秋冬を彩り豊かに表現してくれる言葉。主に俳句で用いられ、その数は3,000個以上にも及びます。今回は、そんな日本人に馴染み深い季語についてご紹介します。また、季語と同じように季節をあらわす「時候の挨拶」についても見ていきましょう。

「季語」とは?

季語とはその名の通り、季節をあらわす言葉です。主に俳句で用いられる言葉で、連歌(れんが)では「季詞(きことば)」「季の詞」などといわれます。


ちなみに、俳句は「五七五」の十七音で成立する短い詩のことであり、連歌は「五七五」の発句と「七七」の脇句からなるもの。俳句は1人で詠みますが、連歌は複数人で交互に詠んで1つの連歌にするのが一般的です。


俳句でつかわれる春夏秋冬の季語
季語とは、具体的にどのような言葉を指すのでしょうか。俳句で使われる季語をいくつか挙げてみましょう。


【春の季語】
三春(さんしゅん)・初春(しょしゅん・はつはる)・仲春(ちゅうしゅん)・晩春(ばんしゅん)・淡雪(あわゆき)・熊穴を出づ(くまあなをいづ)・朝顔蒔く(あさがおまく)・バレンタインの日・遠足・寒の戻り・春闌(はるたけなわ)


【夏の季語】
三夏(さんか)・初夏(しょか・はつなつ)・仲夏(ちゅうか)・晩夏(ばんか)・五月雨(さみだれ・さつきあめ)・初鰹(はつがつお)・富士の雪解(ふじのゆきげ)・小豆アイス・秋近し・夏至の雨・大暑


【秋の季語】
三秋(さんしゅ)・初秋(しょしゅう・はつあき)・仲秋(ちゅうしゅう)・晩秋(ばんしゅう・おそあき)・秋の遠足・鵙日和(もずびより)・天の川(あまのかわ)・秋彼岸(あきひがん)・秋の初雪・秋暑し・秋寒(あきさむ)・残暑


【冬の季語】
三冬(さんとう)・初冬(しょとう・はつふゆ)・仲冬(ちゅうとう)・晩冬(ばんとう)・スケート場・押しくら饅頭(おしくらまんじゅう)・今朝の雪・明日の春・大晦日・寒の入り(かんのいり)


3,000とも6,000ともいわれる季語。日本の四季を豊かに表した言葉が多く、どれも景色が思い浮かぶようなステキな言葉たちです。

春夏秋冬の区切りはいつ?

一口に春夏秋冬といっても、「俳句における春夏秋冬」と「現代の春夏秋冬」では異なります。それぞれ、どのような区切りになっているのか確認してみましょう。


俳句における春夏秋冬の区切り
俳句が始まった時代は、旧暦が用いられていました。そのため、春夏秋冬は次のように区切られています。


春:立春から立夏の前日
夏:立夏から立秋の前日
秋:立秋から立冬の前日
冬:立冬から立春の前日


立春は毎年2月4日頃、立夏は毎年5月6日頃、立秋は毎年8月7日頃、立冬は毎年11月7日頃。2022年は、立春2月4日(金)・立夏5月5日(木)・立秋8月7日(日)・立冬11月7日(月)となっています。


現代における春夏秋冬の区切り
太陽暦(グレゴリオ暦)が使用されている現在は、気象庁が四季を次のように指定しています。


春:3月から5月
夏:6月から8月
秋:9月から11月
冬:12月から2月


先ほどご紹介した俳句の季語に違和感を覚えた人もいるかもしれません。これは、旧暦と現在の四季の区切りに1か月ほどのずれがあるためです。

手紙を書く時に役立てたい「時候の挨拶」

「俳句の季語」と同じように季節をあらわす言葉として「時候の挨拶」があります。時候の挨拶は、手紙の最初に季節の言葉を添えて挨拶をするもの。各月の時候の挨拶をご紹介します。


【1月の時候の挨拶】
・初春の候、寒中お見舞い申し上げます
・お正月気分も抜けてますます寒さが厳しくなってきました


【2月の時候の挨拶】
・立春の候
・立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続いております
・梅のつぼみも膨らみ、日中はいくらか寒さもゆるんで参りました


【3月の時候の挨拶】
・早春の侯
・啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました
・旅立ちの春を迎え、日増しにあたたかさを感じています


【4月の時候の挨拶】
・春暖の候
・桜の花のたよりが聞かれる頃になりました
・葉桜の季節となりました


【5月の時候の挨拶】
・立夏の候
・緑芽が日増しにその色を増しています
・風薫る季節となりました


【6月の時候の挨拶】
・紫陽花の候
・長かった梅雨もあけ、初夏の風が爽やかな季節となりました
・一日の長さがずいぶん長く感じられる頃になりました


【7月の時候の挨拶】
・大暑の候
・暑中お見舞い申し上げます
・暑さ厳しき折


【8月の時候の挨拶】
・晩夏の候
・立秋の候
・立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています
・残暑お見舞い申し上げます


【9月の時候の挨拶】
・初秋の侯
・灯火親しむ頃となりました
・秋涼の風が野山を吹き渡ってゆきます


【10月の時候の挨拶】
・秋冷の侯
・さわやかな秋晴れの日が続いております
・天高く馬肥ゆる季節となりました


【11月の時候の挨拶】
・晩秋の候
・吐く息の白さに、秋の終わりを感じる頃となりました
・向寒のみぎり


【12月の時候の挨拶】
・師走の候
・年の瀬の寒気いよいよ厳しい季節となりました
・一年で最もあわただしい季節になりました


ビジネス面で使用することも多いため、マナーとして知っておくとよいでしょう。

春夏秋冬を感じる季語で彩り豊かな毎日を

季語は、俳句などで季節をあらわすために使われる言葉です。現代でも、「時候の挨拶」として手紙やメールなどの冒頭で使用されることがあります。春夏秋冬を表現する季語を知り、季節を感じながら彩り豊かな毎日を過ごしたいものです。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/Pixabay

 

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