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夏至とはどんな日?2022年はいつ?日本の風習&北欧の夏至祭もチェック!

夏至とはどんな日?2022年はいつ?日本の風習&北欧の夏至祭もチェック!

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春夏秋冬を表す四季は、さらに細かく分けられていることをご存知ですか?よく耳にする夏至も、四季を24等分した二十四節気のひとつです。今回は夏至とはどんな日なのか、日本における風習や北欧で行われているお祭りについても詳しくご紹介します。

夏至は夏に配された中気

「夏至」は言葉のとおり夏を意味していますが、どんな時期なのでしょうか。


季節の目安となる二十四節気
そもそも季節が変わっていくのは、地球が傾いたまま公転しているのが原因です。公転軌道上のどこに地球が位置するかによって季節を知る目安となります。地球は自転軸をおよそ23.4度傾けた状態で公転しており、北極側が太陽に向いているときが夏至です。

天保暦から採用されるようになった定期法では、角度によって太陽の視黄経を24等分して二十四節気が決められています。夏至は偶数番目のグループに分けられており、「五月中」と表記される中気です。


夏至は1気のずれがリセットされる時期
地球は太陽を焦点にして楕円運動しています。太陽との距離によって動くスピードが違うため、二十四節気の間隔である1気の長さは一定ではありません。近日点付近は地球の動きが早く1気の長さは短くなり、遠日点付近では地球の動きが遅く1気の長さは長くなります。

定期法で冬至における違いを0とすると、1気の長さが長くなるのは春分過ぎくらいです。夏至の頃にリセットされ、再び変化していき秋分過ぎにピークに達して冬至にリセットされます。


夏至は6月の中気
二十四節気では春夏秋冬がさらに細かく6つに分かれ、「節気」と「中気」が交互に配されています。夏至は夏の中気です。北極側の自転軸が太陽に向かって傾くため、1年で最も高く太陽が昇り昼の時間が長くなります。

夏至の日は、最も早い時刻に太陽が昇って、最も遅い時刻に太陽が沈むと思われがちですが、正しくは「日の出から日の入りまでが1年で最も長くなる日」です。2022年は6月21日に夏至を迎えます。

日本における夏至の風習

日本では、夏至にどんなことをするのでしょうか?各地に残る風習をご紹介します。


各地に伝わる夏至の食べもの
日本では夏至が田植えの時期であったことから、豊作を願ったものを食べる地域があります。大阪近郊に残っているのが、タコの足のように地面へ稲の根が広がりつくことを願ってタコを食べる風習です。

関東では古来より新小麦を使った餅を作って神様にお供えする風習があり、島根県や熊本県でも小麦のまんじゅうや団子を備える習わしがあります。


夏至の頃に行われるお祭り
三重県にある二見興玉神社では夏至の前日に「鎮魂行法」が、当日には「夏至祭禊」が行われています。幸せや健康、世界平和の願いを込めて祈り、夏至の日の出とともに禊を行うことで「日の大神」や「興玉大神」の神威を仰ぐ神事です。

また、奈良県の大神神社では6月の大祓に「夏越しの祓」と呼ばれる茅の輪くぐりが行われています。大晦日にも実施されており、半年の間についた罪や穢れを身代わりの人形に託してお祓いする神事です。夏至の頃から7月の第1週目にかけて神殿前には茅の輪が設けられ、参拝者は無病息災祈ってくぐります。

世界における夏至の風習

世界にも夏至の風習があります。特に有名なのが、北欧の夏至祭です。


北欧の伝統的な夏至祭
北欧では、夏至の日を「ミッドサマー」といい、夏を祝う盛大なお祭りがあります。日照時間が少なく厳しい自然環境の北欧では、太陽の日差しが届く夏は待ち遠しい季節です。スウェーデンやフィンランドでは夏至祭の日は祝日となり、たくさんの人々が夏の訪れを祝います。

草木に不思議な力が宿るとされており、好きな草花で編んだ花冠をかぶってお祝いするのが風習です。日本でも北欧の夏至祭を体験できるイベントが開かれたり、夏至祭をイメージしたスイーツが販売されたりしています。


フィンランドの夏至祭
フィンランドでは毎年6月20~26日の間の土曜日に、「Juhannus(ユハンヌス)」と呼ばれる夏至祭が行われています。夏至祭の日は国民の祝日とされており、家族や友達と過ごすのが一般的です。

サマーコテージに集まってパーティーをしたり、島巡りやBBQなどを楽しんだりします。夏至祭の前夜には、1日でも長く太陽が射すことを願って「Kokko(コッコ)」と呼ばれるかがり火が焚かれます。


スウェーデンの夏至祭
スウェーデンにおける夏至祭はクリスマスに次いで大きなイベントです。6月19~26日の間に当たる金曜日を「夏至の前夜祭」として祝日に、土曜祝日は「夏至祭りの日」とされています。

フィンランドと異なり、スウェーデンでは夏至祭で焚火を行いません。花冠をかぶったり、白樺の枝や葉を使ったミッドソンマルストング(マイストング、メイポール)を立てて花輪を吊り下げたりするのが風習です。ごちそうを食べ、歌い、踊りながら夏至祭を楽しみます。

夏至は太陽を感じながら過ごそう

今回は二十四節気のひとつである夏至について詳しくご紹介しました。夏至には豊作を願ったものを食べたり、健康を祈る神事が行われたりしています。また、日の出から日の入りまでが最も長い夏至は、北欧で暮らす人々にとって特別な日です。日本でも北欧の夏至祭を体験できます。夏至の日は、太陽の日差しに感謝して過ごすのもおすすめです。

編集&文/SANYO Style MAGAZINE編集部 写真提供/photoAC

 

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